ドイツでは1919年にバウハウスが創設され、モダンデザインの思想と新たな造形教育によって世界に多大な影響を与えるも、1933年に廃校となります。その後勃発した第二次世界大戦での敗戦により、1945年にドイツは東西に分断されます。1990年に再び統一されるまで、ドイツ民主共和国(東ドイツ)とドイツ連邦共和国(西ドイツ)の二つの国が誕生しました。
1953年、西ドイツにはバウハウスの理念の継承を目指したウルム造形大学が開設されました。同校は、1968年に15年間という短い期間で閉校することになりますが、デザインの理論と実践を発展させ、デザイン教育の分野でも大きな足跡を残しました。1950年代末には、GNP(国民総生産)が世界2位となり、「経済の奇跡」と称されるほど、西ドイツは経済的躍進を果たしましたが、その背景には、商業と密接な関係にあるグラフィックデザインの存在が挙げられます。また、1972年のミュンヘンオリンピックや国際的セーリング・フェスティバルの「キール ウィーク」、4‐5年ごとにカッセルで開催される現代美術展「ドクメンタ」など、国家的イベントのイメージ形成にもグラフィックデザインは大きな役割を果たしました。
本展は、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏によって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料の中から、幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの観点から選ばれたポスターを中心に、冊子や雑誌など多彩な作品を展示します。バウハウスやウルム造形大学が提唱したデザイン教育を基盤としたモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界をお楽しみください。
みどころ
1.日本初公開のコレクション
本展で紹介されるのは、「A5コレクション デュッセルドルフ」から選ばれた珠玉の作品群。日本では初公開のコレクションとなります。デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏によって収集された本コレクションは、主に戦後西ドイツのグラフィックデザインからなり、1,000点以上のポスターや、10,000点を超えるその他資料類によって構成されています。所蔵作品数は現在もなお増え続けており、戦後西ドイツのグラフィックデザインを総覧できる充実したコレクションとなっています。
本展では、この「A5コレクション デュッセルドルフ」から、約125点のポスターをはじめ、多数の資料類が展示されます。
2.戦後西ドイツのグラフィックデザイン
第二次世界大戦前にバウハウスが提示したモダンデザインの思想と教育は、戦後、西ドイツの都市であったウルムに設立されたウルム造形大学に受け継がれました。当時の西洋諸国の大半において、スイス・スタイル(国際タイポグラフィ様式)やアメリカのデザインなどが流行しもてはやされるなか、西ドイツではモダニズムを受け継ぎつつも、デザインと科学・哲学・社会思想などとの接点を探る、デザイン理論と実践を発展させていきました。こうして生み出された西ドイツのグラフィックには、戦禍による傷跡の残る同地においても、新たな時代を切り拓くべく、前進する歩みを止めずに発信し続けた、デザイナーたちのエネルギーと情熱がこめられています。
3.デザインの構成要素で辿る、西ドイツのグラフィック
本展では「幾何学的抽象」、「イラストレーション」、「写真」、「タイポグラフィ」の4つのカテゴリーに出品作品をわけ、戦後西ドイツのグラフィックデザインの魅力に迫ります。中には、手書きのタイポグラフィをつかった作品など、カテゴリーを横断したものとしてみることのできる作品もあり、デザイナーたちによる斬新なアイディアや創意工夫、実験的試みを楽しみながらご覧いただけます。ハンス・ヒルマン、オトル・アイヒャー、ハインツ・エーデルマン、フリッツ・フィシャー=ノスビッシュなど西ドイツで活動したデザイナーたちが生み出したクリエイションの魅力をご堪能ください。
1953年、西ドイツにはバウハウスの理念の継承を目指したウルム造形大学が開設されました。同校は、1968年に15年間という短い期間で閉校することになりますが、デザインの理論と実践を発展させ、デザイン教育の分野でも大きな足跡を残しました。1950年代末には、GNP(国民総生産)が世界2位となり、「経済の奇跡」と称されるほど、西ドイツは経済的躍進を果たしましたが、その背景には、商業と密接な関係にあるグラフィックデザインの存在が挙げられます。また、1972年のミュンヘンオリンピックや国際的セーリング・フェスティバルの「キール ウィーク」、4‐5年ごとにカッセルで開催される現代美術展「ドクメンタ」など、国家的イベントのイメージ形成にもグラフィックデザインは大きな役割を果たしました。
本展は、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏によって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料の中から、幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの観点から選ばれたポスターを中心に、冊子や雑誌など多彩な作品を展示します。バウハウスやウルム造形大学が提唱したデザイン教育を基盤としたモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界をお楽しみください。
みどころ
1.日本初公開のコレクション
本展で紹介されるのは、「A5コレクション デュッセルドルフ」から選ばれた珠玉の作品群。日本では初公開のコレクションとなります。デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏によって収集された本コレクションは、主に戦後西ドイツのグラフィックデザインからなり、1,000点以上のポスターや、10,000点を超えるその他資料類によって構成されています。所蔵作品数は現在もなお増え続けており、戦後西ドイツのグラフィックデザインを総覧できる充実したコレクションとなっています。
本展では、この「A5コレクション デュッセルドルフ」から、約125点のポスターをはじめ、多数の資料類が展示されます。
2.戦後西ドイツのグラフィックデザイン
第二次世界大戦前にバウハウスが提示したモダンデザインの思想と教育は、戦後、西ドイツの都市であったウルムに設立されたウルム造形大学に受け継がれました。当時の西洋諸国の大半において、スイス・スタイル(国際タイポグラフィ様式)やアメリカのデザインなどが流行しもてはやされるなか、西ドイツではモダニズムを受け継ぎつつも、デザインと科学・哲学・社会思想などとの接点を探る、デザイン理論と実践を発展させていきました。こうして生み出された西ドイツのグラフィックには、戦禍による傷跡の残る同地においても、新たな時代を切り拓くべく、前進する歩みを止めずに発信し続けた、デザイナーたちのエネルギーと情熱がこめられています。
3.デザインの構成要素で辿る、西ドイツのグラフィック
本展では「幾何学的抽象」、「イラストレーション」、「写真」、「タイポグラフィ」の4つのカテゴリーに出品作品をわけ、戦後西ドイツのグラフィックデザインの魅力に迫ります。中には、手書きのタイポグラフィをつかった作品など、カテゴリーを横断したものとしてみることのできる作品もあり、デザイナーたちによる斬新なアイディアや創意工夫、実験的試みを楽しみながらご覧いただけます。ハンス・ヒルマン、オトル・アイヒャー、ハインツ・エーデルマン、フリッツ・フィシャー=ノスビッシュなど西ドイツで活動したデザイナーたちが生み出したクリエイションの魅力をご堪能ください。
作家・出演者 | ハンス・ヒルマン, オトル・アイヒャー, ハインツ・エーデルマン, フリッツ・フィシャー=ノスビッシュ, ディーター・フォン・アンドリアーン, セレスティーノ・ピアッティ, ヴォルフガング・シュミット等 |
会場 | 東京都庭園美術館 (Tokyo Metropolitan Teien Art Museum) |
住所 | 108-0071 東京都港区白金台5-21-9 |
アクセス | 白金台駅(都営三田線, 東京メトロ南北線)1番出口 徒歩6分 目黒駅(JR山手線)東口 徒歩7分 目黒駅(東急目黒線)正面口 徒歩7分 |
会期 | 2025/03/08(土) - 05/18(日) |
時間 | 10:00-18:00 ※入館は17:30まで ※3月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)は夜間開館のため20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで) |
休み | 月曜日 ※ただし5月5日(月)は開館、5月7日(水)は休館 |
観覧料 | 一般 1,400円 大学生(専修・各種専門学校含む) 1,120円 中学生・高校生 700円 65歳以上 700円 小学生以下および都内在住在学の中学生 無料 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名 無料(手帳の提示をお願いします) ※オンラインによる事前予約制を導入しています。 ※教育活動として教師が引率する都内の小・中・高校生および教師は無料(事前申請が必要) ※第3水曜日(シルバーデー)は65歳以上の方は無料 ※2025年4月23日・30日は、フラットデー開催のため無料・割引対象者以外は要事前予約 チケットの予約・購入 https://www.teien-art-museum.ne.jp/visit/ticket/ |
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