イタリア・ボローニャで毎年開催される児童書のイラストレーション・コンクールの入選作品をご紹介します。本展は、絵本表現のトレンドや今後の動向を一堂に展観できるため、世界中の児童書関係者から注目されています。2023年は、世界91か国から過去最多の4,345件もの応募があり、5名の審査員による選考を経て、日本を含む27か国79人(組)が入選しました。多彩な表現、テーマ、技法による新しい絵本の表現をお楽しみください。
特別展示として、2022年に「ボローニャ SM出版賞」を受賞したアンドレス・ロペスによる新作絵本や、コンクールを主催するブックフェアの60回目の開催を記念した20枚のイラストもご紹介します。
さらに、美術作品へのアクセシビリティの向上のため、2023年のボローニャ展入選作品の中から5枚を選び、触察パネルを制作しました。イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を体験していただきます。
会期中には絵本に関する連続講座や講演会も多数予定しています。本展が、絵本を通して様々な出会いの生まれるきっかけとなりますように。
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアとボローニャ国際絵本原画展
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(以下 BCBF)は、児童書専門の見本市として1964年に始まり、2023年に開催60回を迎えました。出版社による版権の売買のみならず、展覧会や講演会をはじめとする文化イベントも多数行われ、児童書の新たな企画を生み出す場として、世界中から大勢の関係者が集まります。
ボローニャ国際絵本原画展(以下 ボローニャ展)は、このブックフェアが主催するコンクールです。世界中のイラストレーターたちが入選を目指して、児童書のために制作した作品(5枚1組)を応募します。国籍の異なる5名の審査員は毎年入れ替わり、実験的な試みも積極的に受け入れながら、多様性を重視して選考が行われます。出版・未出版を問わず応募できるため、新人作家の登竜門としても知られます。また、コンクールの主催者が児童書専門の国際見本市であることから、世界の出版界からも注目されています。
ここ数年、ボローニャ展の応募者数は増え続け、2023年は91か国から過去最多の4,345件もの応募がありました。1次・2次審査で315名のファイナリストが選出され、最終審査の結果、27か国79名(組)が入選しました。
2023年のボローニャ展 審査メンバー
Gusti グスティ(スペイン/イラストレーター)
Sydney Smith シドニー・スミス(カナダ/イラストレーター)
Christine Morault クリスティーヌ・モロー(フランス/編集者、éditions MeMo社)
Erik Titusson エーリック・ティトゥソン(スウェーデン/編集者、Lilla Piratförlaget社)
Eric telfort エリック・テルフォート(アメリカ/アーティスト、イラストレーター、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)
特別展示1:「2022ボローニャSM出版賞」アンドレス・ロペス
「ボローニャSM出版賞」は、BCBFとスペインのSM出版によって2010年に設立されました。ボローニャ展入選者の中から35歳以下を対象に毎年1名が選ばれ、受賞者にはSM出版から絵本を出版する機会と賞金が与えられます。
本展では、2022年受賞者のアンドレス・ロペス(Andrés López メキシコ)による新作絵本「Volver a mirar」をご紹介します。ボローニャ展から羽ばたく若手イラストレーターの活躍をご覧ください。
特別展示2:BCBFの風景画と肖像画
BCBFが開催60回を迎えたことを記念して、これまでにボローニャ展に入選した20名のイラストレーターたちが「BCBFの風景画と肖像画」をテーマに作品を描きました。そこには、ボローニャの町の様子やブックフェアを行き交う人々が、それぞれのタッチで生き生きと表現されていますが、使われている色はBCBFのロゴマークの4色(赤、オレンジ、マゼンタ、黒)に限定されています。
この20枚の作品は、春に開催されたブックフェア会場のディスプレイや印刷物にあしらわれたほか、ウェブサイトにも使われ、2023年のBCBFを華やかに彩りました。
特別展示3:「視る」を超えて―触って「視る」ボローニャ展2023
2020年のボローニャ展の特別展示〈「視る」を超えて―触って「視る」ボローニャ展〉に続く、第2弾の試みとして、本年のボローニャ展入選作品の中から、5枚(各作品につき1場面ずつ)を木製の触察パネルにしてご紹介します。
イラストレーションから触察図にするためには、複雑な絵柄を整理するなどの改変(翻訳)が必要です。今回のパネルの制作も、イラストレーターの許可を得たうえで、ローマ市立パラエキスポ美術館の教育普及部の技術協力により実現しました。美術作品へのアクセシビリティの向上に積極的に取り組んでいる同館では、視覚に障がいをお持ちの方たちの意見を取り入れながら触察パネルを制作しています。
イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を、多くの方に体験していただければ幸いです。
特別展示として、2022年に「ボローニャ SM出版賞」を受賞したアンドレス・ロペスによる新作絵本や、コンクールを主催するブックフェアの60回目の開催を記念した20枚のイラストもご紹介します。
さらに、美術作品へのアクセシビリティの向上のため、2023年のボローニャ展入選作品の中から5枚を選び、触察パネルを制作しました。イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を体験していただきます。
会期中には絵本に関する連続講座や講演会も多数予定しています。本展が、絵本を通して様々な出会いの生まれるきっかけとなりますように。
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアとボローニャ国際絵本原画展
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(以下 BCBF)は、児童書専門の見本市として1964年に始まり、2023年に開催60回を迎えました。出版社による版権の売買のみならず、展覧会や講演会をはじめとする文化イベントも多数行われ、児童書の新たな企画を生み出す場として、世界中から大勢の関係者が集まります。
ボローニャ国際絵本原画展(以下 ボローニャ展)は、このブックフェアが主催するコンクールです。世界中のイラストレーターたちが入選を目指して、児童書のために制作した作品(5枚1組)を応募します。国籍の異なる5名の審査員は毎年入れ替わり、実験的な試みも積極的に受け入れながら、多様性を重視して選考が行われます。出版・未出版を問わず応募できるため、新人作家の登竜門としても知られます。また、コンクールの主催者が児童書専門の国際見本市であることから、世界の出版界からも注目されています。
ここ数年、ボローニャ展の応募者数は増え続け、2023年は91か国から過去最多の4,345件もの応募がありました。1次・2次審査で315名のファイナリストが選出され、最終審査の結果、27か国79名(組)が入選しました。
2023年のボローニャ展 審査メンバー
Gusti グスティ(スペイン/イラストレーター)
Sydney Smith シドニー・スミス(カナダ/イラストレーター)
Christine Morault クリスティーヌ・モロー(フランス/編集者、éditions MeMo社)
Erik Titusson エーリック・ティトゥソン(スウェーデン/編集者、Lilla Piratförlaget社)
Eric telfort エリック・テルフォート(アメリカ/アーティスト、イラストレーター、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)
特別展示1:「2022ボローニャSM出版賞」アンドレス・ロペス
「ボローニャSM出版賞」は、BCBFとスペインのSM出版によって2010年に設立されました。ボローニャ展入選者の中から35歳以下を対象に毎年1名が選ばれ、受賞者にはSM出版から絵本を出版する機会と賞金が与えられます。
本展では、2022年受賞者のアンドレス・ロペス(Andrés López メキシコ)による新作絵本「Volver a mirar」をご紹介します。ボローニャ展から羽ばたく若手イラストレーターの活躍をご覧ください。
特別展示2:BCBFの風景画と肖像画
BCBFが開催60回を迎えたことを記念して、これまでにボローニャ展に入選した20名のイラストレーターたちが「BCBFの風景画と肖像画」をテーマに作品を描きました。そこには、ボローニャの町の様子やブックフェアを行き交う人々が、それぞれのタッチで生き生きと表現されていますが、使われている色はBCBFのロゴマークの4色(赤、オレンジ、マゼンタ、黒)に限定されています。
この20枚の作品は、春に開催されたブックフェア会場のディスプレイや印刷物にあしらわれたほか、ウェブサイトにも使われ、2023年のBCBFを華やかに彩りました。
特別展示3:「視る」を超えて―触って「視る」ボローニャ展2023
2020年のボローニャ展の特別展示〈「視る」を超えて―触って「視る」ボローニャ展〉に続く、第2弾の試みとして、本年のボローニャ展入選作品の中から、5枚(各作品につき1場面ずつ)を木製の触察パネルにしてご紹介します。
イラストレーションから触察図にするためには、複雑な絵柄を整理するなどの改変(翻訳)が必要です。今回のパネルの制作も、イラストレーターの許可を得たうえで、ローマ市立パラエキスポ美術館の教育普及部の技術協力により実現しました。美術作品へのアクセシビリティの向上に積極的に取り組んでいる同館では、視覚に障がいをお持ちの方たちの意見を取り入れながら触察パネルを制作しています。
イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を、多くの方に体験していただければ幸いです。
作家・出演者 | アンドレス・ロペス, アンナ・アパリシオ・カタラ, ロレンツォ・サンジョ, 寺澤智恵子, アリス・コルブ, キム・スンヨン, チェン・ウェイシュエン, ウ・ポン, マリアナ・ルイス=ジョンソン, ユリア・ドロボワ, ルイーゼ・ミルディタほか |
会場 | 板橋区立美術館 (Itabashi Art Museum) |
住所 | 175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27 |
アクセス | 西高島平駅(都営三田線) 徒歩14分 下赤塚駅(東武東上線) 徒歩24分 地下鉄赤塚駅(東京メトロ) 徒歩24分 成増駅(東武東上線)又は高島平駅(都営三田線)より路線バス(国際興業)あり |
会期 | 2023/06/24(土) - 08/13(日) |
時間 | 9:30-17:00 ※入館は16:30まで |
休み | 月曜日 ※ただし7月17日(月曜日・祝日)は開館し、翌18日(火曜日)は休館 |
観覧料 | 一般 650円 高校・大学生 450円 小・中学生 200円 ※土曜日は小中高校生は無料で観覧できます ※65歳以上・障がい者割引あり(要証明書) |
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