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憧憬のペルシア

松岡美術館

2023/02/21(火) - 06/04(日)

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イスラーム時代に中近東で作られた陶器をペルシア陶器と呼びます。1972(昭和47)年、初代館長は初めて海外オークションに参加し、その帰途に立ち寄ったテヘラン(イラン)で9世紀から13世紀のペルシア陶器をまとめて取得しました。今回は、貴人や動物が描かれた鉢、ターコイズブルーの水差しに加え、輝くラスター彩の壺など、約50点を一挙公開いたします。悠久の時を伝えるエキゾチックな世界をお楽しみください。

9-10世紀、東イランの独立王朝サーマン朝(875-999)下で、ニーシャープールを中心とするイラン東北部やトランスオクシアナ(ウズベキスタン中西部辺り)で作られた陶器です。深鉢が多く、黄色や白を下地に人物、動物や文字などが描かれます。

ミナイ手陶器は、セルジューク朝期を代表する高級陶器で、その名称はペルシア語のエナメルを意味する「ミナイ」に由来します。白地、または青地に多彩の上絵付けを施した色絵陶器で、文様は物語絵や騎馬人物などの人物文が多く描かれます。文様描写は緻密に描かれ、器形は端正で薄作りです。12世紀から13世紀にかけて中部イランのカーシャーンを中心に生産されました。

ミナイ手陶器とともにセルジューク朝期を代表する高級陶器です。ラスター彩は、うつわの表面が金属的光沢を持つことから、輝きを意味する英語のLusterに由来する名称です。最初、ガラスの装飾に使われていたラスター彩技法は、9世紀にメソポタミアで陶器に応用され、12世紀以降は中部イランのカーシャーンなどで盛んに生産されました。

セルジューク朝 (1038-1194) 期、複数の陶土を混ぜた複合陶土が用いられるようになると、これまで剥がれやすかったアルカリ釉が主流となり、ターコイズブルーの青釉が流行しました。多彩な装飾技法や複雑な形の器物が作られています。

ガラスは陶器より早く、メソポタミアを起源として5000年前から作られていたといいます。紀元前1世紀頃、溶けたガラスに息を吹き込み丸い形を作る「吹きガラス」が始まると生産が増大し、ローマ領だったエジプトにも広まっていきました。今回は、2世紀から12世紀頃のガラス器を5点出品します。

出典

会場松岡美術館まつおか びじゅつかん (Matsuoka Museum of Art, 마츠오카 미술관, 松冈美术馆)
住所
108-0071
東京都港区白金台5-12-6
アクセス
白金台駅(東京メトロ南北線, 都営地下鉄三田線)1番出口 徒歩7分
目黒駅(JR, 東急電鉄)東口 徒歩15分
会期2023/02/21(火) - 06/04(日)
時間10:00-17:00
※第一金曜日のみ10:00-19:00
※入館は閉館の30分前まで
休み毎週月曜日
観覧料一般 1,200円
25歳以下 500円
高校生以下 無料
障がい者手帳をお持ちの方 無料
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