小さなさかなのお話『スイミー』、青と黄の抽象的な形がストーリーを織りなす物語『あおくんときいろちゃん』。 これらは、刊行から60年以上たってなお愛され続けるレオ・レオーニ (Leo Lionni 1910-1999) の絵本です。レオーニは、20世紀のイタリアやアメリカにおいて、絵画、デザイン、絵本など多彩な分野で活躍しました。本展は、レオーニの生涯にわたる制作活動と、影響関係にあったアーティストたちを併せて紹介するものです。
1910年にオランダで生まれ、幼少期から豊かなヨーロッパ文化を享受して成長したレオーニは、青年期にはイタリアでブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari 1907-1998)をはじめとする多くのアーティストや文化人と交流し、影響を与え合いました。1939年にアメリカへと渡り、アートディレクターとして活躍する一方、絵画の制作にも打ち込みます。後半生はイタリアとアメリカを往来しながら画家、彫刻家、そして絵本作家として多数の作品を生みだしました。
板橋区立美術館はレオーニ氏本人の協力により 1996年に日本初のレオ・レオーニ展を開催しました。氏の逝去後はご遺族との交流は続き、それが2020年に開催した「だれも知らないレオ・レオーニ展」での多数の初公開作品の紹介に繋がりました。また、後に約70点もの作品をご寄贈いただいています。当館にとって3度目のレオ・レオーニ展となる本展では、これまでの交流の積み重ねや長年にわたる調査研究を通して明らかになったレオーニの活動の全貌を、20世紀の文化史の大きな流れの中から検証します。
レオ・レオーニ(Leo Lionni 1910-1999)
アムステルダムで生まれ、幼い時からヨーロッパ各地とアメリカを転々としながら育つ。1930年代半ばよりミラノでグラフィックデザインの仕事を始めるが、イタリアで差別的な人種法が制定されたことをきっかけに、1939 年に渡米。ニューヨークを中心に、オリヴェッティ社やMoMAの広告、ビジネス誌『フォーチュン』のアートディレクションなどを手掛けて成功した。1959年に初の絵本『あおくんときいろちゃん』を出版してからは徐々に広告の仕事から退く。以後、年に1冊の絵本を出版しながら、油彩画、彫刻、版画などの制作に没頭する。イタリアのトスカーナにアトリエを持ち、ニューヨークとイタリアを行き来する生活を30年以上続けた。
展覧会構成
第1章 アムステルダム シャガールのある家
レオーニは1910年にアムステルダム近郊で生まれ、芸術的にとても恵まれた環境で育ちました。レオーニの少年時代を、当時の思い出や写真とともに紹介します。
第 2 章 ジェノヴァからミラノへ 1930 年代の第二次未来派芸術運動と印刷メディア
レオーニは幼少期からオランダ、ベルギー、イタリアと移住を繰り返します。イタリアでは、ブルーノ・ムナーリをはじめとする未来派のアーティストたちと一時活動をともにします。その後、広告・出版文化が華やぐミラノで、ソール・スタインバーグをはじめとするアーティストや文化人と関わりながら、イラストやデザインの分野で活動するようになりました。
ここでは、イタリアにおけるアーティストたちとの交流を、作品や同時代の印刷物などからひも解きます。
第3章 ニューヨーク アートディレクター時代
1939年に渡米したレオーニは、ビジネス雑誌『フォーチューン』やCBS放送、MoMA、オリヴェッティ社などの仕事を手がけ、アメリカ屈指のアートディレクターになっていきます。一方で絵画制作にも注力し、1947年には初の個展を開催しました。そして1959年、レオーニは初の絵本となる『あおちゃんときいろちゃん』を出版します。
本章では、アメリカでのアートディレクターとしての仕事をベン・シャーン、ムナーリ、スタインバーグ、カルダーらとの交流の軌跡とともに紹介します。また、1940 年代後半からの油彩画もあわせて展示します。
第4章 イタリアでの制作
アーティストとしての活動に集中しようと、1961年、イタリアにもどったレオーニは、アメリカ時代から続く「想像肖像」シリーズや「プロフィール」シリーズ、「平行植物」シリーズ、「黒いテーブル」シリーズなど、さまざまなテーマに意欲的に取り組みました。晩年はパーキンソン病のため制作にも困難が伴いましたが、作ることへの熱意が失せることはなく、病のため震えてしまう線をも効果的に用いた「鳥」シリーズが最後の作品となりました。
本章では、イタリアに移住してから制作された作品を紹介します。ブロンズ彫刻《プロジェクト:幻想の庭》や「鳥」シリーズなど、見ごたえのある作品が並びます。
第5章 レオの絵本づくり
1959年に初めての絵本を出版してから、自分自身の物語を絵で表現できる絵本との出会いにより、レオーニは作り手として新たなスタートを切りました。ほぼ1年に1冊のペースで制作を続け、絵と文章をともに手掛けた物語絵本は27冊にのぼります。本章では、30年以上におよぶレオーニの絵本づくりの軌跡を振り返ります。そこにはデザイナーやアーティストとしての活動の積み重ねも映し出されています。また、レオーニの多彩な技法や描き方が見られる、絵本原画の一部もご紹介します。
1910年にオランダで生まれ、幼少期から豊かなヨーロッパ文化を享受して成長したレオーニは、青年期にはイタリアでブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari 1907-1998)をはじめとする多くのアーティストや文化人と交流し、影響を与え合いました。1939年にアメリカへと渡り、アートディレクターとして活躍する一方、絵画の制作にも打ち込みます。後半生はイタリアとアメリカを往来しながら画家、彫刻家、そして絵本作家として多数の作品を生みだしました。
板橋区立美術館はレオーニ氏本人の協力により 1996年に日本初のレオ・レオーニ展を開催しました。氏の逝去後はご遺族との交流は続き、それが2020年に開催した「だれも知らないレオ・レオーニ展」での多数の初公開作品の紹介に繋がりました。また、後に約70点もの作品をご寄贈いただいています。当館にとって3度目のレオ・レオーニ展となる本展では、これまでの交流の積み重ねや長年にわたる調査研究を通して明らかになったレオーニの活動の全貌を、20世紀の文化史の大きな流れの中から検証します。
レオ・レオーニ(Leo Lionni 1910-1999)
アムステルダムで生まれ、幼い時からヨーロッパ各地とアメリカを転々としながら育つ。1930年代半ばよりミラノでグラフィックデザインの仕事を始めるが、イタリアで差別的な人種法が制定されたことをきっかけに、1939 年に渡米。ニューヨークを中心に、オリヴェッティ社やMoMAの広告、ビジネス誌『フォーチュン』のアートディレクションなどを手掛けて成功した。1959年に初の絵本『あおくんときいろちゃん』を出版してからは徐々に広告の仕事から退く。以後、年に1冊の絵本を出版しながら、油彩画、彫刻、版画などの制作に没頭する。イタリアのトスカーナにアトリエを持ち、ニューヨークとイタリアを行き来する生活を30年以上続けた。
展覧会構成
第1章 アムステルダム シャガールのある家
レオーニは1910年にアムステルダム近郊で生まれ、芸術的にとても恵まれた環境で育ちました。レオーニの少年時代を、当時の思い出や写真とともに紹介します。
第 2 章 ジェノヴァからミラノへ 1930 年代の第二次未来派芸術運動と印刷メディア
レオーニは幼少期からオランダ、ベルギー、イタリアと移住を繰り返します。イタリアでは、ブルーノ・ムナーリをはじめとする未来派のアーティストたちと一時活動をともにします。その後、広告・出版文化が華やぐミラノで、ソール・スタインバーグをはじめとするアーティストや文化人と関わりながら、イラストやデザインの分野で活動するようになりました。
ここでは、イタリアにおけるアーティストたちとの交流を、作品や同時代の印刷物などからひも解きます。
第3章 ニューヨーク アートディレクター時代
1939年に渡米したレオーニは、ビジネス雑誌『フォーチューン』やCBS放送、MoMA、オリヴェッティ社などの仕事を手がけ、アメリカ屈指のアートディレクターになっていきます。一方で絵画制作にも注力し、1947年には初の個展を開催しました。そして1959年、レオーニは初の絵本となる『あおちゃんときいろちゃん』を出版します。
本章では、アメリカでのアートディレクターとしての仕事をベン・シャーン、ムナーリ、スタインバーグ、カルダーらとの交流の軌跡とともに紹介します。また、1940 年代後半からの油彩画もあわせて展示します。
第4章 イタリアでの制作
アーティストとしての活動に集中しようと、1961年、イタリアにもどったレオーニは、アメリカ時代から続く「想像肖像」シリーズや「プロフィール」シリーズ、「平行植物」シリーズ、「黒いテーブル」シリーズなど、さまざまなテーマに意欲的に取り組みました。晩年はパーキンソン病のため制作にも困難が伴いましたが、作ることへの熱意が失せることはなく、病のため震えてしまう線をも効果的に用いた「鳥」シリーズが最後の作品となりました。
本章では、イタリアに移住してから制作された作品を紹介します。ブロンズ彫刻《プロジェクト:幻想の庭》や「鳥」シリーズなど、見ごたえのある作品が並びます。
第5章 レオの絵本づくり
1959年に初めての絵本を出版してから、自分自身の物語を絵で表現できる絵本との出会いにより、レオーニは作り手として新たなスタートを切りました。ほぼ1年に1冊のペースで制作を続け、絵と文章をともに手掛けた物語絵本は27冊にのぼります。本章では、30年以上におよぶレオーニの絵本づくりの軌跡を振り返ります。そこにはデザイナーやアーティストとしての活動の積み重ねも映し出されています。また、レオーニの多彩な技法や描き方が見られる、絵本原画の一部もご紹介します。
作家・出演者 | レオ・レオーニ, ベン・シャーン, ブルーノ・ムナーリ |
会場 | 板橋区立美術館 (Itabashi Art Museum) |
住所 | 175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27 |
アクセス | 西高島平駅(都営三田線) 徒歩14分 下赤塚駅(東武東上線) 徒歩24分 地下鉄赤塚駅(東京メトロ) 徒歩24分 成増駅(東武東上線)又は高島平駅(都営三田線)より路線バス(国際興業)あり |
会期 | 2024/11/09(土) - 2025/01/13(月) |
時間 | 9:30-17:00 ※入館は16:30まで |
休み | 月曜日、12月29日~1月3日 ※ただし、1月13日(月曜日・祝日)は開館 |
観覧料 | 一般 650円 大・高生 450円 小・中生 200円 ※土曜日は小中高校生は無料で観覧できます ※65歳以上・障がい者割引あり(要証明書) ※当館でのお支払いは、現金のみです(ミュージアムショップ含む)。 |
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