CLEAR GALLERY TOKYOでは、8月25日より池田俊彦+杢谷圭章「monophony/polyphony」展を開催します。
池田俊彦と杢谷圭章は共に銅版画を主な表現手段に選んだ同世代のアーティストです。しかし彼らが描き出す世界は全く違う表象を持っています。銅版画の古典技法スティプリングと呼ばれる白と黒の点描法で、西洋の伝統的な思想「死を想え/メメントモリ」を現代的な高齢化問題とリンクさせて異形の人体造形を創造し続ける池田。一方、立体的に浸透する腐食の作用によって産み出された鮮やかな色相と直接銅板に刻み込まれた鋭利な線によって、分解された図像を版というレイヤーで再構築して現代絵画の方法論を銅版画へと落とし込もうと試みる杢谷。
伝統と現代、白黒と極彩色、一見銅版画の両極で創作を続けている2人ですが、通底する表現の軸、思考する方向性は共通しています。それは銅という金属板に刻み付けられた痕跡からイメージや思考を汲み上げ、それを強力なプレス圧を使って紙という平面に立体的に定着させこの世に実体化させたいという強い願望です。金属凹版とも言われる銅版画において溝あるいは傷と呼ばれる思考と行為の痕跡を実体化させることは、この技法の特性を特殊ならしめる根源的なイリュージョンです。しかしそれを意識的に認識し、なおかつ実現できている作家はほとんどいません。杢谷と池田は彼らの同世代の銅版画家達の中でもこのことを意識的に実現させている稀有なアーティストと言えます。
今回の展覧会タイトル【モノフォニー/ポリフォニー】は、単旋律/複数旋律を表す音楽用語です。
池田と杢谷にとって今回の2人展への準備の過程は全く違う方法論で産み出されたお互いの銅版画という旋律が共振するほんの僅かな一点を目指すような地道でスリリングな対話の日々だったといいます。
池田と杢谷の一見対極にみえる表現が共振し、浮き彫りになる銅版画という技法の根源性と多様性【モノフォニー/ポリフォニー】、そしてそこから生まれる新たな表現の可能性【シンフォニー】をご高覧いただければと願っています。
池田俊彦 Toshihiko IKEDA
Biography
1980 東京都八王子市
2003 多摩美術大学美術学部油画専攻卒業
2005 東京芸術大学大学院美術研究科(版画研究室)修了
2013.1-2013.12 文化庁在外研修員としてロンドン滞在
Exhibitions
<Solo Exhibitions>
2022 池田俊彦展「The melting lord -After light after time after gravity」(不忍画廊)
2017 池田俊彦展「笑う黄金種族 / SMILING GOLDEN RACE”」(不忍画廊)
2013 池田俊彦 展 「美しい角 Beautiful Horn」(不忍画廊)
<Group Exhibitions, selected from 2011>
2022 「HEY! LE DESSIN」 (Halle Saint Pierre美術館)(フランス パリ)
2022 「テクテクテクネー 技法でひらく想像世界」展 (長崎県美術館)
2021 「TRIBUNA GRAPHIC 2019/10th EDITION」 (Art Museum Cluj-Napoca)(ルーマニア)
2019 「版画のコア core2」(文房堂ギャラリー お茶の水)
2019 「THE BODY-身体の宇宙-」展 (町田市立国際版画美術館)
2018 「GALERIE ANDRE & LEON オープニング展」 (GALERIE ANDRE & LEON ポアチエ)
2018 バングラデシュ アジアン アート ビエンナーレ2018(バングラデシュ シルパカラ アカデミー ダッカ)
2017 PRISM8 (クレモナ市立美術館 クレモナ)
2017 「世にも奇妙な絵画たち」展 (Bunkamura Gallery)
2017 「能楽辰巳孝 13回忌 追善 第9回東京満次郎の会 「無明照闇」ロビー展示 (水道橋 宝生能楽堂)
2016 PAT in Kyoto 京都版画トリエンナーレ2016 (京都市美術館)
2016 PRISM 6 (クリフォード チャンス ギャラリー LONDON)
2016 Twisted Impressions (DVIDSON GALLERIES シアトル)
2015 PRISM WORLD PRINTMAKING 5 LONDON(Embassy Tea Gallery ロンドン)
2013 PRISM WORLD PRINTMAKING ONE (Mile End Art Pavilion(ロンドン))
2013 モンスターを探せ!!ピラネージからゴヤ、そしてエルンストへ(町田市立国際版画美術館)
2013 PRISM WORLD PRINTMAKING 3(SPAZIO OSTRAKON)ミラノ
2011 アート フェア東京2011(東京国際フォーラム)
<Award / Scholarship>
2007 平成18年度 文化庁買上優秀美術作品
2007 Prints Tokyo2007 町田市立国際版画美術館賞
2008 第7回 高知国際版画トリエンナーレ展 日和崎尊夫賞
2011 第1回 ドローイングとは何か展 最優秀賞
2011 第5回 山本鼎版画大賞展 優秀賞
2013.1-2013.12 文化庁在外研修員
杢谷圭章 Yoshiaki MOKUTANI
Biography
1980 静岡県生まれ
2003 明星大学造形芸術学部卒業
2005 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了
Exhibitions
<Solo Exhibitions>
2018 養清堂ギャラリー (銀座) (`06,`10,`12,`14,`16)
2017 HIROSHIGE-Gallery (恵比寿)
2008 ギャラリー山口 (京橋) (`05)
<Group Exhibitions, selected from 2011>
2023 「ところざわアートのミライ」所沢駅東口市民ギャラリー(所沢)
2022 「 The Adventure of Fine Art Prints」たましん美術館(東京)
2020 「隣り合う片腕The traced line」大塚聡、川越健太、杢谷圭章 /遊工房アートスペース(杉並)
2020 「市政施行70周年記念事業−ところざわアートの潮流− 」 所沢市民文化センター・ミューズ(所沢)
2019 「The fifth mezzotint festival in Ekaterinburg 」EKATERINBURG MUSEUM (エカテリンブルグ/ロシア)
2019 「on paper without borders」 Hieronim Lopacinski Provincial Public Library(ルブリン/ポーランド)
2019 「版画のコア2 」文房堂ギャラリー(神田)
2018 「BEYOND THE SKY Vol.2」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章 / 養清堂ギャラリー (銀座)
2017 「九州・沖縄版画プロジェクト2017 vol.2」九州産業大学美術館 (福岡)
2017 「デュッセルドルフと東京の間で」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章/ EKO-HAUS (デュッセルドルフ/ドイツ)
2017 「版画のコア」文房堂ギャラリー(神田)
2016 「BEYOND THE SKY」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章 /養清堂ギャラリー (銀座)
2014 「福島現代美術ビエンナーレ」喜多方市美術館(喜多方)
2011 「CWAJ 現代版画併設展 - 静穏を求めて -」 東京アメリカンクラブ (上野)
池田俊彦と杢谷圭章は共に銅版画を主な表現手段に選んだ同世代のアーティストです。しかし彼らが描き出す世界は全く違う表象を持っています。銅版画の古典技法スティプリングと呼ばれる白と黒の点描法で、西洋の伝統的な思想「死を想え/メメントモリ」を現代的な高齢化問題とリンクさせて異形の人体造形を創造し続ける池田。一方、立体的に浸透する腐食の作用によって産み出された鮮やかな色相と直接銅板に刻み込まれた鋭利な線によって、分解された図像を版というレイヤーで再構築して現代絵画の方法論を銅版画へと落とし込もうと試みる杢谷。
伝統と現代、白黒と極彩色、一見銅版画の両極で創作を続けている2人ですが、通底する表現の軸、思考する方向性は共通しています。それは銅という金属板に刻み付けられた痕跡からイメージや思考を汲み上げ、それを強力なプレス圧を使って紙という平面に立体的に定着させこの世に実体化させたいという強い願望です。金属凹版とも言われる銅版画において溝あるいは傷と呼ばれる思考と行為の痕跡を実体化させることは、この技法の特性を特殊ならしめる根源的なイリュージョンです。しかしそれを意識的に認識し、なおかつ実現できている作家はほとんどいません。杢谷と池田は彼らの同世代の銅版画家達の中でもこのことを意識的に実現させている稀有なアーティストと言えます。
今回の展覧会タイトル【モノフォニー/ポリフォニー】は、単旋律/複数旋律を表す音楽用語です。
池田と杢谷にとって今回の2人展への準備の過程は全く違う方法論で産み出されたお互いの銅版画という旋律が共振するほんの僅かな一点を目指すような地道でスリリングな対話の日々だったといいます。
池田と杢谷の一見対極にみえる表現が共振し、浮き彫りになる銅版画という技法の根源性と多様性【モノフォニー/ポリフォニー】、そしてそこから生まれる新たな表現の可能性【シンフォニー】をご高覧いただければと願っています。
池田俊彦 Toshihiko IKEDA
Biography
1980 東京都八王子市
2003 多摩美術大学美術学部油画専攻卒業
2005 東京芸術大学大学院美術研究科(版画研究室)修了
2013.1-2013.12 文化庁在外研修員としてロンドン滞在
Exhibitions
<Solo Exhibitions>
2022 池田俊彦展「The melting lord -After light after time after gravity」(不忍画廊)
2017 池田俊彦展「笑う黄金種族 / SMILING GOLDEN RACE”」(不忍画廊)
2013 池田俊彦 展 「美しい角 Beautiful Horn」(不忍画廊)
<Group Exhibitions, selected from 2011>
2022 「HEY! LE DESSIN」 (Halle Saint Pierre美術館)(フランス パリ)
2022 「テクテクテクネー 技法でひらく想像世界」展 (長崎県美術館)
2021 「TRIBUNA GRAPHIC 2019/10th EDITION」 (Art Museum Cluj-Napoca)(ルーマニア)
2019 「版画のコア core2」(文房堂ギャラリー お茶の水)
2019 「THE BODY-身体の宇宙-」展 (町田市立国際版画美術館)
2018 「GALERIE ANDRE & LEON オープニング展」 (GALERIE ANDRE & LEON ポアチエ)
2018 バングラデシュ アジアン アート ビエンナーレ2018(バングラデシュ シルパカラ アカデミー ダッカ)
2017 PRISM8 (クレモナ市立美術館 クレモナ)
2017 「世にも奇妙な絵画たち」展 (Bunkamura Gallery)
2017 「能楽辰巳孝 13回忌 追善 第9回東京満次郎の会 「無明照闇」ロビー展示 (水道橋 宝生能楽堂)
2016 PAT in Kyoto 京都版画トリエンナーレ2016 (京都市美術館)
2016 PRISM 6 (クリフォード チャンス ギャラリー LONDON)
2016 Twisted Impressions (DVIDSON GALLERIES シアトル)
2015 PRISM WORLD PRINTMAKING 5 LONDON(Embassy Tea Gallery ロンドン)
2013 PRISM WORLD PRINTMAKING ONE (Mile End Art Pavilion(ロンドン))
2013 モンスターを探せ!!ピラネージからゴヤ、そしてエルンストへ(町田市立国際版画美術館)
2013 PRISM WORLD PRINTMAKING 3(SPAZIO OSTRAKON)ミラノ
2011 アート フェア東京2011(東京国際フォーラム)
<Award / Scholarship>
2007 平成18年度 文化庁買上優秀美術作品
2007 Prints Tokyo2007 町田市立国際版画美術館賞
2008 第7回 高知国際版画トリエンナーレ展 日和崎尊夫賞
2011 第1回 ドローイングとは何か展 最優秀賞
2011 第5回 山本鼎版画大賞展 優秀賞
2013.1-2013.12 文化庁在外研修員
杢谷圭章 Yoshiaki MOKUTANI
Biography
1980 静岡県生まれ
2003 明星大学造形芸術学部卒業
2005 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了
Exhibitions
<Solo Exhibitions>
2018 養清堂ギャラリー (銀座) (`06,`10,`12,`14,`16)
2017 HIROSHIGE-Gallery (恵比寿)
2008 ギャラリー山口 (京橋) (`05)
<Group Exhibitions, selected from 2011>
2023 「ところざわアートのミライ」所沢駅東口市民ギャラリー(所沢)
2022 「 The Adventure of Fine Art Prints」たましん美術館(東京)
2020 「隣り合う片腕The traced line」大塚聡、川越健太、杢谷圭章 /遊工房アートスペース(杉並)
2020 「市政施行70周年記念事業−ところざわアートの潮流− 」 所沢市民文化センター・ミューズ(所沢)
2019 「The fifth mezzotint festival in Ekaterinburg 」EKATERINBURG MUSEUM (エカテリンブルグ/ロシア)
2019 「on paper without borders」 Hieronim Lopacinski Provincial Public Library(ルブリン/ポーランド)
2019 「版画のコア2 」文房堂ギャラリー(神田)
2018 「BEYOND THE SKY Vol.2」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章 / 養清堂ギャラリー (銀座)
2017 「九州・沖縄版画プロジェクト2017 vol.2」九州産業大学美術館 (福岡)
2017 「デュッセルドルフと東京の間で」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章/ EKO-HAUS (デュッセルドルフ/ドイツ)
2017 「版画のコア」文房堂ギャラリー(神田)
2016 「BEYOND THE SKY」渋谷 和良、Eckhard Kremers、 光安 雅伸、杢谷 圭章 /養清堂ギャラリー (銀座)
2014 「福島現代美術ビエンナーレ」喜多方市美術館(喜多方)
2011 「CWAJ 現代版画併設展 - 静穏を求めて -」 東京アメリカンクラブ (上野)
作家・出演者 | 池田俊彦, 杢谷圭章 |
会場 | CLEAR GALLERY TOKYO |
住所 | 106-0032 東京都港区六本木7-18-8 岸田ビル 2F |
アクセス | 六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩3分 六本木駅(都営大江戸線)4b口 徒歩8分 乃木坂駅(東京メトロ千代田線)6番口 徒歩12分 |
会期 | 2023/08/25(金) - 09/09(土) |
時間 | 12:00-18:00 |
休み | 日・月 |
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