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河豚学校 Part2 金河豚の夢 Fugu Gakko part2 KINFUGU NO YUME

CLEAR GALLERY TOKYO

2023/04/19(水) - 05/20(土)

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この度CLEAR GALLERY TOKYOでは、åbäke and LPPLによる、「河豚学校 part2 金河豚の夢」展を開催いたします。

ロンドンを拠点とするグラフィックデザインユニット、アート・コレクティブの åbäke は、2018年第4回イスタンブール・デザインビエンナーレ「A School of Schools」にて、「Fugu Okul」と題して、イスタンブールの街中に貼ってあったポスターにペインティングを施した平面作品、彫刻、映像作品の展覧会を開催しました。
フグ(河豚)を出発点として、環境問題から地政学、化学、文学、美術まで、さまざまな分野を探求する「河豚学校/Fugu Okul/Fugu School」と名付けられたアートプロジェクトは、2021年にCLEAR GALLERY TOKYOでの「河豚学校 part1」と続き、発表された作品群は、国際芸術祭「あいち2022」でも新たな作品を加えて展示されました。
当ギャラリーで開催する「河豚学校」は二部構成で考えられており、2021年開催のpart1では、日本語、英語、トルコ語のグラフィティ作品を中心に、人間社会における他者の存在(その土地におけるマイノリティ/他種の存在)をフグの物語を通して示唆した作品を発表しました。part2である本展では、フグ(非人間)の目を通した世界として描かれたドローイング作品を中心に、「あいち2022」でのリサーチをもとに新たに制作した立体作品などを発表いたします。

åbäkeが制作にあたって興味のあること重きを置いていることとして、コラボレーションが挙げられます。
作り手として作品を共同制作する場合や、フィールドワークの結果として他者の存在を彼らの作品に登場させる、また「Social Pasta」というMartino Gamper との共同プロジェクトでは、アートとデザインと食を融合した彼らのプレゼンテーションに、来場者を参加させるイベントを世界各地で開催してきました。他者とのコミュニケーションは社会と関わることでもあり、多様な眼差しで現代を捉えることは、複雑な問題を解決する足がかりとなり得ます。他者との関係性は人間同士に限らず、地球上の生き物との関わりにも展開されていきます。
2018年「Fugu Okul」展について、DAMN° MagazineのGabrielle Kennedyとの対談の中で、作家はこのように語っています。
「Fugu Okulでの教育は、建築とスエズ運河、法律、戦争、領土から始まります。そして動物、人間、それらが重なり合う倫理観について議論します。このことはあらゆる角度から教育を考えるということと同時に、「人新世(アントロポセン)」に対して反対の立場をとっています。今あらゆるものが人間中心だと言われていますが、この考え方に異議を唱える人が増えてきているように思います。人間と自然のつながりを大切にすることで、より望ましい協力関係を築き、進歩の道を歩むことができるのです。
人間が中心であるエゴと、人間が生態系の一部であるエコとの違いを考えてみましょう。Donna Haraway(カリフォルニア大学意識史学科およびフェミニスト研究学科名誉教授)は、「資本新世」と「クトゥルー新世」について書いています。彼女の主張は「人新世」をめぐる言説が、他の世界を想像し配慮する能力を奪っているということです。人間と地球との間の階層的なつながりに限定すること、それは非常に閉鎖的で、何が起きているのかを理解することを制限します。
Harawayは、タコを用いて何が必要かを述べました。それは可能性に満ちた、多くの枝葉を持つ開かれたシステムです。」

言語や国境、政治、宗教、身体的特徴やセクシュアリティなどさまざまな要因で分断される今、フグを起点とした一連の経験的なリサーチを通した、実験的、共同的、参加型の研究という芸術実践は、連想すること興味を持つことによって人々と会話を深め、理解するための学際的なアプローチを提案します。それはデザイン、芸術を通した知識の成果物というだけでなく、その状況における、自己と社会及び人間と自然との倫理的、権力的な構成について示唆しています。
分野を横断しながら、新たな視座を得ることを試みる本展覧会をぜひご覧いただけましたら幸いです。

河豚学校 part1→ https://cleargallerytokyo.com/fugu-okul-part1

åbäkeは、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで出会ったPatrick Lacey(イギリス)、Benjamin Reichen(フランス)、Kajsa Ståhl(スウェーデン)、Maki Suzuki(フランス)によって、イギリス・ロンドンで設立された、グラフィックデザイン集団です。活動初期より現代美術の世界でも活躍しており、グラフィックがどのようにして文化的な伝達形態をとるかという問題を提起し、デザインの社会的側面と、コラボレーションがプロジェクトにもたらす力をテーマに、独立した、領域を横断する参加型のプロジェクトを作成しています。
åbäkeの活動は、建築(Sexymachinery)と料理(Social Pasta, Trattoria)、出版社(Dent-de-Léone)、スパイエージェント(Affice Suzuki )、衣料品とレコードのレーベル(Kitsuné)など多岐にわたり、アーティスト(Ryan Gander,Francis Upritchard,Per Hüttner,Johanna Billing,Fritz Haegなど),機関/美術館(NMNM,Design Museum,Victoria and Albert Museum,Museum of Finnish Architecture,Serpentine Gallery,CASCOなど),ミュージシャン(The Cardigans,Daft Punkなど),デザイナー(Maison Martin Margiela,Hussein Chalayan,Peter Jensen,Martino Gamperなど)などと世界各国でコラボレーションを行っています。
彼らはまた、場所にまつわるの文化的な物語やアートのメカニズムについてを考察し作品を制作しています。

åbäke is a graphic design collective founded in London, UK by Patrick Lacey (UK), Benjamin Reichen (France), Kajsa Ståhl (Sweden), and Maki Suzuki (France), who met at the Royal College of Art.
Since its early days, åbäke has been active in the contemporary art world, creating independent, cross-disciplinary, and participatory projects that raise the question of how graphics become a form of cultural communication and address the social aspects of design and the power that collaboration can bring to a project.
åbäke's work has ranged in many fields, such as architecture (Sexymachinery), cuisine (Social Pasta, Trattoria), publishing (Dent-de-Léone), spy agency (Affice Suzuki), and clothing and record label (Kitsuné). Moreover, they have done much collaboration with artists (Ryan Gander, Francis Upritchard, Per Hüttner, Johanna Billing, Fritz Haeg, etc.), institutions/organizations (NMNM, Design Museum, Victoria and Albert Museum, Museum of Finnish Architecture, Serpentine Gallery, CASCO, etc.), musicians (The Cardigans, Daft Punk, etc.), designers (Maison Martin Margiela, Hussein Chalayan, Peter Jensen, Martino Gamper, etc.) around the world.
They also reflect on the cultural stories of place and the mechanisms of art and create storytelling objects and texts.

出典

作家・出演者åbäke & LPPL
会場CLEAR GALLERY TOKYOくりあ ぎゃらりー とーきょー
住所
106-0032
東京都港区六本木7-18-8 岸田ビル 2F
アクセス
六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩3分
六本木駅(都営大江戸線)4b口 徒歩8分
乃木坂駅(東京メトロ千代田線)6番口 徒歩12分
会期2023/04/19(水) - 05/20(土)
時間12:00-18:00
休み日・月曜日
※ただし4/29, 5/3, 5/4, 5,5は休廊
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