知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション Toward a Mausoleum of Perception: MIKAMI Seiko’s Interactive Art Installations
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
2025/12/13(土) - 2026/03/08(日)
■NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター※1(以下、ICC)にて、2025年12月13日より企画展「知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」を開催します。
■ICCでは開館前のプレ活動期間より、さまざまな形で作品を発表してきた三上晴子の没後10年となる2025年に、1990年代後半以降のインタラクティブ・インスタレーションを複数展示し、三上の活動をメディア・アート※2 的側面から振り返ります。三上の大型インスタレーション作品3点を同時に展示する機会は国内外でも初めてのこととなります。
■1997年にICCコレクションとして委嘱制作された《存在、皮膜、分断された身体》を調査し、本展での再展示の可能性を検討しています。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技術と芸術文化の融合をテーマとする文化施設。
※2 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉。
アーティストの三上晴子が1990年代以降に国内外で発表したインタラクティブ・インスタレーションは、人間が世界と接続し関係を結ぶ端緒となる知覚行為そのものをテーマとしています。「眼は単に視るものではなく、耳は単に聴くものではない。すなわち、耳で視て、鼻で聴いて、眼で触ることが可能である」※3と本人が書いているように、三上はメディア・テクノロジーを駆使し、鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示しました。そして、それらを総合した「知覚の美術館(あるいは大霊廟)」※4の構築を目指しました。
三上は生前、1980年代から90年代までの作品の多くを廃棄していますが、2015年の急逝を機に、近年は、1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど、現代美術の分野においても三上の再評価の機運が高まっています。一方で、規模が大きく作品設置に複雑な工程を要することから、インタラクティブ作品の再展示の機会は限られています。
また三上は、展示の機会があるたびに最新の技術を取り入れて作品をアップデートすることに極めて積極的でした。その経緯を踏まえ、委嘱元である山口情報芸術センター [YCAM] (以下、YCAM)や当時の作品制作関係者によって、作家の死去後も修復や一部再制作が行われています。また、YCAMと多摩美術大学の共同研究により、作品だけでなく鑑賞者の作品体験データやその他の資料の保存に関して、メディア・アートに特化した新しい方法論が検証・探究されるなど、三上の作品をめぐって、さまざまな試みが続けられています。
ICCにとって三上は、開館前のプレ活動期よりさまざまな活動を通じて関係を深めてきたアーティストのひとりです。本展では、三上が1990年代後半以降に発表したインタラクティブ・インスタレーションを複数展示します。作品展示のほか、作品がアップデートを重ねてきた変遷や、現在進行中の修復やアーカイブの取り組み、また作品のアーカイブ・データの活用事例なども併せて紹介します。会期中には、三上と親交のあったアーティストや研究者を招いたトーク・イベントなどを開催予定です。
※3、※4 ともに出典:『SEIKO MIKAMI:三上晴子 記録と記憶』(馬定延/渡邉朋也 編著、NTT出版、2019年)
■ICCでは開館前のプレ活動期間より、さまざまな形で作品を発表してきた三上晴子の没後10年となる2025年に、1990年代後半以降のインタラクティブ・インスタレーションを複数展示し、三上の活動をメディア・アート※2 的側面から振り返ります。三上の大型インスタレーション作品3点を同時に展示する機会は国内外でも初めてのこととなります。
■1997年にICCコレクションとして委嘱制作された《存在、皮膜、分断された身体》を調査し、本展での再展示の可能性を検討しています。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技術と芸術文化の融合をテーマとする文化施設。
※2 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉。
アーティストの三上晴子が1990年代以降に国内外で発表したインタラクティブ・インスタレーションは、人間が世界と接続し関係を結ぶ端緒となる知覚行為そのものをテーマとしています。「眼は単に視るものではなく、耳は単に聴くものではない。すなわち、耳で視て、鼻で聴いて、眼で触ることが可能である」※3と本人が書いているように、三上はメディア・テクノロジーを駆使し、鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示しました。そして、それらを総合した「知覚の美術館(あるいは大霊廟)」※4の構築を目指しました。
三上は生前、1980年代から90年代までの作品の多くを廃棄していますが、2015年の急逝を機に、近年は、1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど、現代美術の分野においても三上の再評価の機運が高まっています。一方で、規模が大きく作品設置に複雑な工程を要することから、インタラクティブ作品の再展示の機会は限られています。
また三上は、展示の機会があるたびに最新の技術を取り入れて作品をアップデートすることに極めて積極的でした。その経緯を踏まえ、委嘱元である山口情報芸術センター [YCAM] (以下、YCAM)や当時の作品制作関係者によって、作家の死去後も修復や一部再制作が行われています。また、YCAMと多摩美術大学の共同研究により、作品だけでなく鑑賞者の作品体験データやその他の資料の保存に関して、メディア・アートに特化した新しい方法論が検証・探究されるなど、三上の作品をめぐって、さまざまな試みが続けられています。
ICCにとって三上は、開館前のプレ活動期よりさまざまな活動を通じて関係を深めてきたアーティストのひとりです。本展では、三上が1990年代後半以降に発表したインタラクティブ・インスタレーションを複数展示します。作品展示のほか、作品がアップデートを重ねてきた変遷や、現在進行中の修復やアーカイブの取り組み、また作品のアーカイブ・データの活用事例なども併せて紹介します。会期中には、三上と親交のあったアーティストや研究者を招いたトーク・イベントなどを開催予定です。
※3、※4 ともに出典:『SEIKO MIKAMI:三上晴子 記録と記憶』(馬定延/渡邉朋也 編著、NTT出版、2019年)
| 作家・出演者 | 三上晴子 |
| 会場 | NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (NTT InterCommunication Center [ICC]) |
| 住所 | 163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー 4F |
| アクセス | 初台駅(京王新線)東口 徒歩2分 |
| 会期 | 2025/12/13(土) - 2026/03/08(日) |
| 時間 | 11:00-18:00 ※最終入館は閉館の30分前まで |
| 休み | 月曜日、年末年始(12/29~1/5)、1/13(火)、ビル保守点検日(2/8)、2/24(火) ※ただし、1/12(月)、2/23(月)は開館 ※最新情報はICCウェブサイト( https://www.ntticc.or.jp/ )などでお知らせします。 |
| 観覧料 | 一般 1,000円 大学生 800円 障害者手帳をお持ちの方および付添1名 無料 65歳以上の方 無料 高校生以下の方 無料 ぐるっとパスをお持ちの方 無料 |
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![三上晴子《欲望のコード》2010/11年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]](https://image.padograph.com/f5de7c08-60e9-4e13-aa56-7ef9ba4285bc.webp)
