表現者は街に潜伏している そして、ショッピングセンターは街そのものである
パープルームギャラリー
2025/08/25(月) - 09/28(日)
このイベントはは休みです。
※詳細・最新情報はイベントの公式サイトをご確認ください。

本展について
スーパーマーケットの起源は1930年代のアメリカと言われています。生鮮食品から日用品までなんでも揃い、さらにはお客さんが陳列されている商品を自らの意思で選びカゴに入れるというスタイルは当時の客商売のあり方に変革をもたらしました。その一方で美術画廊では基本的にお客さんが陳列された作品に触れることはできません。そして多くの場合、作品がたんなる商品として扱われることを嫌います。つまり、スーパーとギャラリーでは業態も慣習もまったく違います。しかしそんな原理の異なる店舗同士がひとつの空間に軒を連ねることができるのはショッピングセンターが潜在的に持っている包容力の為せる業でしょう。スーパーをはじめ、フードコート、100円均一ショップ、衣料品店、ジム、フットサルコート、不動産屋といった多種多様な業種が共存する、ショッピングセンターはいわば街そのものです。テナントを借りる、そんなシンプルな手続きで美術のギャラリーもその輪の中に入れてもらえるわけです。
さて、本展では多様な世代やスタイルの作家たちが一堂に会します。けれどもそれは「現代アート」が謳う多様性とは少し様子が異なります。もっと素朴で雑多かもしれません。具体的に説明すると美術制度を内面化したいわゆるプロ、日々の営みとして自分自身のために作り続けている者、かつて美術家を志したものの道半ばで方向転換した者、インターネットを主戦場にする者など。本展は先ほど述べた複合商業施設のような「在りよう」を目指します。2013年から活動してきたわたしたちパープルームの振り返りに留まらず、本来であれば隣合うことのなかったであろう作品同士の出会いとすれ違いの場となることを願っています。また、出展作家の年齢が20〜90代と幅広いのもショッピングセンター的と言えるかもしれません。
最後になりますが、ダイエーへのテナント出店はわたしたちにとって大きな挑戦です。運営は店長である梅津庸一と副店長の安藤裕美が担います。そして弊廊はいわゆるコマーシャルギャラリーではありません。作品販売は行いますが、ゲスト作家からマージンは取らず梅津と安藤の作品の売り上げによって経費を賄います。
業界っぽい話で恐縮ですが、現在の美術界は助成金ありきの活動や過剰な商業主義が席巻しています。また特定の政治的信条を訴え、表明する場としてもつかわれています。わたしたちはそれらとは異なるスタンスを取りたいと思います。それがオルタナティブかどうかではなく、日々の暮らしと美術が文字通り地続きであることを体現したい。それこそ「海老名になんか変なお店ができたね」と言ってもらえるよう、ここダイエー海老名店で地道に活動していきたいと思います。
梅津庸一(パープルームギャラリー店長)
パープルームのこれから
パープルームは相模原の片隅で始まりました。当時、梅津さんが自宅を改装して「パープルーム予備校」を開校。初めての予備校生は、私と高島君でした。初期のパープルームは全国各地をキャラバンのように巡りながら展覧会を行っていました。
初めての展覧会2014年の『パープルーム大学』展では会場の山下ビルではたんぱく質さんや高島周造くん、福士千裕さん、梅津さんらと深夜まではしゃいでいた記憶があります。最初の4日間はみんなで会場で寝泊まりしていてお客さんも24時間いつでもやってきました。
パープルーム展はいつも成り行きで出会った知り合いではなく、まったく出自や界隈の違う造形作家たちを展示に招きました。
美大出身者から、老後に絵画制作を始めた人、日記のようにツイッターに絵を投稿している人など、普段お互いに関わることがない界隈に属する人たちを同じ展示会場に並べることでそれらで新たな地勢図を作るような実験の場でもありました。
それからいろんな人が訪れては去っていき、共同体の形を少しずつ変えながら数年が経ちました。
2018年にはパープルーム予備校の1階にあった空きテナントを改装し、「パープルームギャラリー」を開設。徒歩25分というアクセスの悪さにもかかわらず、展覧会を30回以上開催し、ときには1日に100人を超える来場者がありました。
パープルームギャラリーではたくさんの作家を呼んでグループ展をしていた『パープルーム大学』と違い1つのテーマを掘り下げ、毎回冊子を発行しました。
初期は大まかな美術作家たちの造形思考や関係性の実験でしたが、中期はさらに深く作家に取材し、しっかり記録する研究に移ったといえます。
パープルームギャラリーは非営利ですが、その記録や研究は私たちの進路を探るための糧となっているように思います。
そんなパープルームも今年で11年目ですが、今回のテナント出店は大きな転機になりそうです。
2019年にはYouTubeで『パープルームTV』をスタート。アーティスト、キュレーター、編集者などを招いたトーク番組や、日常系、制作ドキュメンタリーなど、アート系チャンネルとしては幅広い動画を配信しています。私はその編集を担当しています。
パープルームTVをきっかけに、これまで美術に興味がなかった人たちも見てくれるようになりました。
2022年頃から、梅津さんは信楽での作陶や、版画工房での住み込み制作など、個人の活動に力を入れるようになりました。そんな姿を見て、「もうパープルームのような集団での活動は難しいのかな」と不安になったこともあります。しかし、海老名での新ギャラリーの準備が始まると、ダイエーとの交渉やプランニングなど具体的に多くの仕事が動き出し、パープルームは再び活気を取り戻したように思います。わたしはパープルームの活動が大好きなので毎日楽しいです。
かつてパープルーム予備校生だった私も、このたび副店長に就任しました。不安はありますが、挑戦しなければ何も変わりません。ここダイエーでは子どもたちのはしゃぐ声、スーパーでリピートされる音楽、近くのテナントの店員さんとお客さんの会話などが、作品鑑賞をしながらも聞こえてきます。そんな活気のある場所でパープルームギャラリーを運営できることを嬉しく思います。さらに面白く、刺激的な場所にしていきたいと思っています。
安藤裕美(副店長)
スーパーマーケットの起源は1930年代のアメリカと言われています。生鮮食品から日用品までなんでも揃い、さらにはお客さんが陳列されている商品を自らの意思で選びカゴに入れるというスタイルは当時の客商売のあり方に変革をもたらしました。その一方で美術画廊では基本的にお客さんが陳列された作品に触れることはできません。そして多くの場合、作品がたんなる商品として扱われることを嫌います。つまり、スーパーとギャラリーでは業態も慣習もまったく違います。しかしそんな原理の異なる店舗同士がひとつの空間に軒を連ねることができるのはショッピングセンターが潜在的に持っている包容力の為せる業でしょう。スーパーをはじめ、フードコート、100円均一ショップ、衣料品店、ジム、フットサルコート、不動産屋といった多種多様な業種が共存する、ショッピングセンターはいわば街そのものです。テナントを借りる、そんなシンプルな手続きで美術のギャラリーもその輪の中に入れてもらえるわけです。
さて、本展では多様な世代やスタイルの作家たちが一堂に会します。けれどもそれは「現代アート」が謳う多様性とは少し様子が異なります。もっと素朴で雑多かもしれません。具体的に説明すると美術制度を内面化したいわゆるプロ、日々の営みとして自分自身のために作り続けている者、かつて美術家を志したものの道半ばで方向転換した者、インターネットを主戦場にする者など。本展は先ほど述べた複合商業施設のような「在りよう」を目指します。2013年から活動してきたわたしたちパープルームの振り返りに留まらず、本来であれば隣合うことのなかったであろう作品同士の出会いとすれ違いの場となることを願っています。また、出展作家の年齢が20〜90代と幅広いのもショッピングセンター的と言えるかもしれません。
最後になりますが、ダイエーへのテナント出店はわたしたちにとって大きな挑戦です。運営は店長である梅津庸一と副店長の安藤裕美が担います。そして弊廊はいわゆるコマーシャルギャラリーではありません。作品販売は行いますが、ゲスト作家からマージンは取らず梅津と安藤の作品の売り上げによって経費を賄います。
業界っぽい話で恐縮ですが、現在の美術界は助成金ありきの活動や過剰な商業主義が席巻しています。また特定の政治的信条を訴え、表明する場としてもつかわれています。わたしたちはそれらとは異なるスタンスを取りたいと思います。それがオルタナティブかどうかではなく、日々の暮らしと美術が文字通り地続きであることを体現したい。それこそ「海老名になんか変なお店ができたね」と言ってもらえるよう、ここダイエー海老名店で地道に活動していきたいと思います。
梅津庸一(パープルームギャラリー店長)
パープルームのこれから
パープルームは相模原の片隅で始まりました。当時、梅津さんが自宅を改装して「パープルーム予備校」を開校。初めての予備校生は、私と高島君でした。初期のパープルームは全国各地をキャラバンのように巡りながら展覧会を行っていました。
初めての展覧会2014年の『パープルーム大学』展では会場の山下ビルではたんぱく質さんや高島周造くん、福士千裕さん、梅津さんらと深夜まではしゃいでいた記憶があります。最初の4日間はみんなで会場で寝泊まりしていてお客さんも24時間いつでもやってきました。
パープルーム展はいつも成り行きで出会った知り合いではなく、まったく出自や界隈の違う造形作家たちを展示に招きました。
美大出身者から、老後に絵画制作を始めた人、日記のようにツイッターに絵を投稿している人など、普段お互いに関わることがない界隈に属する人たちを同じ展示会場に並べることでそれらで新たな地勢図を作るような実験の場でもありました。
それからいろんな人が訪れては去っていき、共同体の形を少しずつ変えながら数年が経ちました。
2018年にはパープルーム予備校の1階にあった空きテナントを改装し、「パープルームギャラリー」を開設。徒歩25分というアクセスの悪さにもかかわらず、展覧会を30回以上開催し、ときには1日に100人を超える来場者がありました。
パープルームギャラリーではたくさんの作家を呼んでグループ展をしていた『パープルーム大学』と違い1つのテーマを掘り下げ、毎回冊子を発行しました。
初期は大まかな美術作家たちの造形思考や関係性の実験でしたが、中期はさらに深く作家に取材し、しっかり記録する研究に移ったといえます。
パープルームギャラリーは非営利ですが、その記録や研究は私たちの進路を探るための糧となっているように思います。
そんなパープルームも今年で11年目ですが、今回のテナント出店は大きな転機になりそうです。
2019年にはYouTubeで『パープルームTV』をスタート。アーティスト、キュレーター、編集者などを招いたトーク番組や、日常系、制作ドキュメンタリーなど、アート系チャンネルとしては幅広い動画を配信しています。私はその編集を担当しています。
パープルームTVをきっかけに、これまで美術に興味がなかった人たちも見てくれるようになりました。
2022年頃から、梅津さんは信楽での作陶や、版画工房での住み込み制作など、個人の活動に力を入れるようになりました。そんな姿を見て、「もうパープルームのような集団での活動は難しいのかな」と不安になったこともあります。しかし、海老名での新ギャラリーの準備が始まると、ダイエーとの交渉やプランニングなど具体的に多くの仕事が動き出し、パープルームは再び活気を取り戻したように思います。わたしはパープルームの活動が大好きなので毎日楽しいです。
かつてパープルーム予備校生だった私も、このたび副店長に就任しました。不安はありますが、挑戦しなければ何も変わりません。ここダイエーでは子どもたちのはしゃぐ声、スーパーでリピートされる音楽、近くのテナントの店員さんとお客さんの会話などが、作品鑑賞をしながらも聞こえてきます。そんな活気のある場所でパープルームギャラリーを運営できることを嬉しく思います。さらに面白く、刺激的な場所にしていきたいと思っています。
安藤裕美(副店長)
| 作家・出演者 | 兼田なか, 續橋仁子, 百頭たけし, 平山昌尚, だつお, 星川あさこ, 藤江愛, 林康夫, 上田勇児, 伊藤昭人, 中ザワヒデキ, 梅沢和木, 梅沢和雄, 浦川大志, 二艘木洋行, 福士千裕, qp, ジェイソン・トンプソン, 西村有未, 影島晋平, 俵萌子, たんぱく質, 金中高貴, ユ, 六萠, 西島大介, 桑原正彦, 新関創之介, 佐藤遥加, 笹原郁斗 ex.リスカちゃん, ユササビ, 卜部鈴木, オイリさん, 高島周造, アラン, 吉田十七歳, シエニーチュアン, わきもとさき, 智輝, あま, 田辺賢都, 梅津庸一, 安藤裕美 |
| 会場 | パープルームギャラリー (Parplume Gallery) |
| 住所 | 243-0432 神奈川県海老名市中央3-2-5 ダイエー海老名店 2F住所をコピーするコピーしました |
| アクセス | 海老名駅(相模鉄道相鉄本線, 小田急小田原線, JR相模線)東口 徒歩3分(遊歩道直結) |
| 会期 | 2025/08/25(月) - 09/28(日) |
| 時間 | 12:00-20:00 |
| 休み | 月曜日、火曜日 ※ただし、8月25日(月)、26日(火)は開廊 |
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