トーキョーアーツアンドスペースでは、2006年よりレジデンス・プログラム「クリエーター・イン・レジデンス」を開始し、東京や海外の派遣先を舞台に、さまざまな分野で活動するアーティストたちへ滞在制作の機会を提供しています。
本展では2期にわたって、東京や世界各国のレジデンスに滞在した総勢14名の国内外のアーティストたちがその成果を発表します。
第1期では「分断を越えて」というテーマを共有してTOKASレジデンシ―で滞在制作を行ったアーティストを含む7名が発表します。
テーマ・プロジェクト「分断を超えて | Beyond Divisions」
テーマ・プロジェクトでは、TOKASレジデンシーに滞在した4名のアーティストが、「分断を越えて」 を主題に、対話や議論を重ねながらそれぞれ個別に制作活動に取り組みました。 異なる立場や価値観、バックグラウンドを持つアーティストが捉えるさまざまな分断について、 制作や芸術的実践をとおしてどのように提示、応答しているのかを話し合い、 そこから見出される共通点を探りました。
ボリャナ・ヴェンスラヴォヴァ | Borjana VENTZISLAVOVA
海外クリエーター招聘プログラム (テーマ・プロジェクト)
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
社会地理的、文化的、心理的な境界の移動と越境のプロセス、そしてコミュニケーションと翻訳の複雑さにどう対処するかに関心をもつヴェンチスラヴォヴァは、作品制作を通じて、ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧にし、わたしたちの現状に疑問を投げかけます。滞在中は、日本の迷信文化を起点に家父長制とジェンダー不平等、さらに日本の伝統的な儀式の実践に焦点を当て、スピリチュアリティと政治的実践の交差を取り上げる作品を制作しました。
カルメン・パパリア | Carmen PAPALIA
海外クリエーター招聘プログラム (テーマ・プロジェクト)
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
パパリアは非視覚的な社会的実践に取り組むアーティストで、アクセシビリティを創造的実践の場としています。彼の作品は協働パフォーマンスから公共介入に渡りさまざまな形をとり、実践をとおして、主流文化に広まっている障害に対する根深い思い込みを覆すことを目指しています。滞在中には、カナダのノイズ・アーティストSam McKinley氏と協働し《Loud Cane 1.0》を開発、物の表面の質感を音に変換し奏でるパフォーマンス用のサウンド・ケーン(楽器となる白杖)を制作しました。
久松知子 | HISAMATSU Tomoko
国内クリエーター制作交流プログラム
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
さまざまな土地を移動しながら、アートの権力、制度、経済そして歴史を関心の対象とし、その地域的な差異あるいは共通言語の存在を探るべく、具象絵画とドローイングを中心に制作しています。滞在制作中には戦後日本の表象を捉えるべくリサーチを行い、その中で鑑賞した一本の映画にインスピレーションを受けました。作中で描かれている高度経済成長期の日本の明るく勢いのある様と、現在我々を取り巻く社会的に陰鬱なムードのギャップを、「サラリーマン」という表象を通じ、久松の持ち味でもある物語絵画として、可愛らしくもアイロニカルに表現します。
森あらた | MORI Arata
国内クリエーター制作交流プログラム
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
身体と映像の融合、現実と虚構の境界線といった、アンビバレントな表象をテーマに映像を制作する森は、自身と同じロストジェネレーション世代のもうひとりの「私」を探す物語を下地とする映像制作に着手。引きこもり経験者や心の悩みを抱える人など多数の人にインタビューを行いました。本展では、「私」と同世代の「他者」との対話・対峙を展示空間で再現、伝わらなさ、孤独、分断といった普遍的なテーマを、半透明な心象風景として提示します。
木村桃子 | KIMURA Momoko
二都市間交流事業プログラム<ケベック>
滞在期間:2024.4–6
滞在場所:センター・クラーク
木村は物質の厚みと時間の奥行きをテーマに、木材とその年輪を用いて光や時間など目に見えないものを可視化することを試みています。2023年にカナダのケベック州で発生した大規模な森林火災に強く関心をもちながらレジデンスを訪れ、森林火災が単なる災害ではなく、生命の循環に必要な自然のプロセスであることを深く理解するに至りました。レジデンス滞在直前に起きたアイスストームによる甚大な被害を目の当たりにした彼女は、その際に倒木した木材を収集し、自然災害と循環に焦点を当てた作品を制作します。
山田 悠 | YAMADA Haruka
二都市間交流事業プログラム<ロサンゼルス>
滞在期間:2024.4–6
滞在場所:18th Street Arts Center
変動する都市環境の中で、自らの行為をどのように作品として成立させることが出来るかに関心を持つ山田は、都市/自然/人間という要素を相対的に捉え、ものごとの関係を測り直そうとしています。彼女の制作活動の多くは実際の都市空間の中で行われ、外的要因からの影響を作品に引き受けさせようと試みます。レジデンス滞在中には、私たちが無意識に正しいと認識している「時間」や「時刻のルール」、そこに内在される権力について考察を続け、その成果として壁面作品や再構成したインスタレーション作品を展開します。
*山田悠の滞在はCall to Dream: The Sam Francis Fellowshipを通じた18th Street Arts CenterとTOKASとのレジデンス・パートナーシップにより実現しました。
リスキー・ラズアルディ | Rizki LAZUARDI
海外クリエーター招聘プログラム(個別プロジェクト)
滞在期間:2024.9–11
滞在場所:TOKASレジデンシー
ラズアルディは作品制作において、オーディオ・ヴィジュアル映像に内蔵される制度的な効果を活用しています。今回のレジデンス滞在中には、茨城県にかつて存在した放射線育種場「ガンマーフィールド」を思考の出発点とし、農業や原子力の専門家・研究者たちへのインタビューを通じて、フルーツの品種改良について調査を行いました。流通の背景にある意外な事実や信じられてきたフィクションを一種の物語として抽出しながら、本展では高級フルーツの競売に光を当て、改良された果物がもつ社会経済的影響を表現することを試みます。
本展では2期にわたって、東京や世界各国のレジデンスに滞在した総勢14名の国内外のアーティストたちがその成果を発表します。
第1期では「分断を越えて」というテーマを共有してTOKASレジデンシ―で滞在制作を行ったアーティストを含む7名が発表します。
テーマ・プロジェクト「分断を超えて | Beyond Divisions」
テーマ・プロジェクトでは、TOKASレジデンシーに滞在した4名のアーティストが、「分断を越えて」 を主題に、対話や議論を重ねながらそれぞれ個別に制作活動に取り組みました。 異なる立場や価値観、バックグラウンドを持つアーティストが捉えるさまざまな分断について、 制作や芸術的実践をとおしてどのように提示、応答しているのかを話し合い、 そこから見出される共通点を探りました。
ボリャナ・ヴェンスラヴォヴァ | Borjana VENTZISLAVOVA
海外クリエーター招聘プログラム (テーマ・プロジェクト)
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
社会地理的、文化的、心理的な境界の移動と越境のプロセス、そしてコミュニケーションと翻訳の複雑さにどう対処するかに関心をもつヴェンチスラヴォヴァは、作品制作を通じて、ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧にし、わたしたちの現状に疑問を投げかけます。滞在中は、日本の迷信文化を起点に家父長制とジェンダー不平等、さらに日本の伝統的な儀式の実践に焦点を当て、スピリチュアリティと政治的実践の交差を取り上げる作品を制作しました。
カルメン・パパリア | Carmen PAPALIA
海外クリエーター招聘プログラム (テーマ・プロジェクト)
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
パパリアは非視覚的な社会的実践に取り組むアーティストで、アクセシビリティを創造的実践の場としています。彼の作品は協働パフォーマンスから公共介入に渡りさまざまな形をとり、実践をとおして、主流文化に広まっている障害に対する根深い思い込みを覆すことを目指しています。滞在中には、カナダのノイズ・アーティストSam McKinley氏と協働し《Loud Cane 1.0》を開発、物の表面の質感を音に変換し奏でるパフォーマンス用のサウンド・ケーン(楽器となる白杖)を制作しました。
久松知子 | HISAMATSU Tomoko
国内クリエーター制作交流プログラム
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
さまざまな土地を移動しながら、アートの権力、制度、経済そして歴史を関心の対象とし、その地域的な差異あるいは共通言語の存在を探るべく、具象絵画とドローイングを中心に制作しています。滞在制作中には戦後日本の表象を捉えるべくリサーチを行い、その中で鑑賞した一本の映画にインスピレーションを受けました。作中で描かれている高度経済成長期の日本の明るく勢いのある様と、現在我々を取り巻く社会的に陰鬱なムードのギャップを、「サラリーマン」という表象を通じ、久松の持ち味でもある物語絵画として、可愛らしくもアイロニカルに表現します。
森あらた | MORI Arata
国内クリエーター制作交流プログラム
滞在期間:2024.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
身体と映像の融合、現実と虚構の境界線といった、アンビバレントな表象をテーマに映像を制作する森は、自身と同じロストジェネレーション世代のもうひとりの「私」を探す物語を下地とする映像制作に着手。引きこもり経験者や心の悩みを抱える人など多数の人にインタビューを行いました。本展では、「私」と同世代の「他者」との対話・対峙を展示空間で再現、伝わらなさ、孤独、分断といった普遍的なテーマを、半透明な心象風景として提示します。
木村桃子 | KIMURA Momoko
二都市間交流事業プログラム<ケベック>
滞在期間:2024.4–6
滞在場所:センター・クラーク
木村は物質の厚みと時間の奥行きをテーマに、木材とその年輪を用いて光や時間など目に見えないものを可視化することを試みています。2023年にカナダのケベック州で発生した大規模な森林火災に強く関心をもちながらレジデンスを訪れ、森林火災が単なる災害ではなく、生命の循環に必要な自然のプロセスであることを深く理解するに至りました。レジデンス滞在直前に起きたアイスストームによる甚大な被害を目の当たりにした彼女は、その際に倒木した木材を収集し、自然災害と循環に焦点を当てた作品を制作します。
山田 悠 | YAMADA Haruka
二都市間交流事業プログラム<ロサンゼルス>
滞在期間:2024.4–6
滞在場所:18th Street Arts Center
変動する都市環境の中で、自らの行為をどのように作品として成立させることが出来るかに関心を持つ山田は、都市/自然/人間という要素を相対的に捉え、ものごとの関係を測り直そうとしています。彼女の制作活動の多くは実際の都市空間の中で行われ、外的要因からの影響を作品に引き受けさせようと試みます。レジデンス滞在中には、私たちが無意識に正しいと認識している「時間」や「時刻のルール」、そこに内在される権力について考察を続け、その成果として壁面作品や再構成したインスタレーション作品を展開します。
*山田悠の滞在はCall to Dream: The Sam Francis Fellowshipを通じた18th Street Arts CenterとTOKASとのレジデンス・パートナーシップにより実現しました。
リスキー・ラズアルディ | Rizki LAZUARDI
海外クリエーター招聘プログラム(個別プロジェクト)
滞在期間:2024.9–11
滞在場所:TOKASレジデンシー
ラズアルディは作品制作において、オーディオ・ヴィジュアル映像に内蔵される制度的な効果を活用しています。今回のレジデンス滞在中には、茨城県にかつて存在した放射線育種場「ガンマーフィールド」を思考の出発点とし、農業や原子力の専門家・研究者たちへのインタビューを通じて、フルーツの品種改良について調査を行いました。流通の背景にある意外な事実や信じられてきたフィクションを一種の物語として抽出しながら、本展では高級フルーツの競売に光を当て、改良された果物がもつ社会経済的影響を表現することを試みます。
| 作家・出演者 | ボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ, 木村桃子, カルメン・パパリア, 久松知子, 森あらた, 山田悠, リスキー・ラズアルディ |
| 会場 | トーキョーアーツアンドスペース 本郷 (Tokyo Arts and Space Hongo) |
| 住所 | 113-0033 東京都文京区本郷2-4-16 |
| アクセス | 御茶ノ水駅(JR中央線・総武線)お茶の水橋口 御茶ノ水駅(東京メトロ丸ノ内線)1番出口 水道橋駅(都営地下鉄三田線)A1出口 水道橋駅(JR総武線)東口 本郷三丁目駅(都営地下鉄大江戸線)3番出口 本郷三丁目駅(東京メトロ丸ノ内線)1番出口 各駅より徒歩7分 |
| 会期 | 2025/05/17(土) - 06/22(日) |
| 時間 | 11:00-19:00(入場は閉館30分前まで) |
| 休み | 月曜日 |
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