s+arts (スプラスアーツ)より、井手菜穂 個展「サイゲツ」の開催をお知らせいたします。
油絵具、オイルパステルにカルサイトやシェル等の素材を使い、独自のマチエールを構築しながら風景画を描く井手菜穂。一見抽象画にも見える彼女の作品は、今までに出会った自然の記憶や小説などから思い描く風景です。近年では、風景の一部として視点をクローズアップし、表情や触感がより感じられるような表現も多く見られるようになりました。“見える風景を忠実に描いていない「風景画」を表現している”と作家自身が言うように、それらは井手の中にある記憶や想像、希望が入り混じり、鮮やかな色彩に花や木々のある風景へと形成されています。素直に浮かんだイメージに寄り添うことで、エネルギーが感じられるような作品を目指します。
本展タイトル「サイゲツ」とは、ここ数年井手が自身の展覧会名に用いている「歳月」の意味を含みます。今回は、刻々と過ぎていく月日を、もう少し遠くから俯瞰しているようなイメージで作品を展開いたします。
「風景を描いています。見えたそのままの風景を忠実に描きません。
子どもの頃から風景を描くということに拘ること、そこに深い意味があるのか?
と考えた時、平穏な生活を過ごせることが私にとって“風景画”なのかもしれません。
現在まだまだ平穏な社会とは言えません。
平常心で過ごしていきたいという想いは年々深くなっています。
それが“雨の風景”が多くなった事に繋がりました。
戦争や災害、或いは身動きのとれない不自由な社会、そんな中で作品は作れません。
その存在さえ無意味になるかもしれません。絵描き(芸術)の存在は平和を証明するものであるとも考えます。
この世の誰にとっても必要不可欠な『モノ』を生み出しているわけではないですが、それでも必要なモノだと思いたい。
人々の生活に小さな幸せの感情を生み出すモノとして存在出来たらと思います。
考え続けたこともあり、いずれ『人』を描けたらと思い始めています。その気配をいくつかの絵に少しだけ入れることが出来たら、と。
直接、“ミル”ことも大切ですが私の中にある記憶や想像、希望が入り混じっている、或いは読んできた小説の中での風景が色や形となり絵として出来ています。絵を通して、今は小さくてもいずれ大きなエネルギーの源になれる仕事をしていくことを考えていきたい。
それはまだまだ具体的な形にはならないけれど、これまでの過程で見つけていきたい。
描くとき、空間的・時間的な広がりやエネルギーの大きさを表現できないか?
また、反対にその中のある部分的なものも想像して描くことができないか?
みて、受け止めて、考えて、或いは閃いて、それがどんな絵になるのか、楽しみながら作品と会話しています。」--- 井手菜穂
近年、雨をモチーフに取り入れることの多くなった井手は、“雨”には、嫌なことを流し、物事を整えてくれる役割もあると考えます。力強くも繊細な雨の気配を含みながら、井手自身の感性、心理などを反映させるように描かれた様々な花や風景を同じ空間で展示することで、そこから垣間見える社会の深層を探っています。 本展では、これまで井手が描いてきた色味や雨の表現を変え、少し違う印象の作品群が並びます。そこには、辛い出来事も多い世の中ではあるけれど、その中で日々の楽しいこともあるし、折り合いを付けながら生きていこうというポジティブな気持ちが含まれているようです。
これを機に井手菜穂の新作展を是非ご高覧ください。
油絵具、オイルパステルにカルサイトやシェル等の素材を使い、独自のマチエールを構築しながら風景画を描く井手菜穂。一見抽象画にも見える彼女の作品は、今までに出会った自然の記憶や小説などから思い描く風景です。近年では、風景の一部として視点をクローズアップし、表情や触感がより感じられるような表現も多く見られるようになりました。“見える風景を忠実に描いていない「風景画」を表現している”と作家自身が言うように、それらは井手の中にある記憶や想像、希望が入り混じり、鮮やかな色彩に花や木々のある風景へと形成されています。素直に浮かんだイメージに寄り添うことで、エネルギーが感じられるような作品を目指します。
本展タイトル「サイゲツ」とは、ここ数年井手が自身の展覧会名に用いている「歳月」の意味を含みます。今回は、刻々と過ぎていく月日を、もう少し遠くから俯瞰しているようなイメージで作品を展開いたします。
「風景を描いています。見えたそのままの風景を忠実に描きません。
子どもの頃から風景を描くということに拘ること、そこに深い意味があるのか?
と考えた時、平穏な生活を過ごせることが私にとって“風景画”なのかもしれません。
現在まだまだ平穏な社会とは言えません。
平常心で過ごしていきたいという想いは年々深くなっています。
それが“雨の風景”が多くなった事に繋がりました。
戦争や災害、或いは身動きのとれない不自由な社会、そんな中で作品は作れません。
その存在さえ無意味になるかもしれません。絵描き(芸術)の存在は平和を証明するものであるとも考えます。
この世の誰にとっても必要不可欠な『モノ』を生み出しているわけではないですが、それでも必要なモノだと思いたい。
人々の生活に小さな幸せの感情を生み出すモノとして存在出来たらと思います。
考え続けたこともあり、いずれ『人』を描けたらと思い始めています。その気配をいくつかの絵に少しだけ入れることが出来たら、と。
直接、“ミル”ことも大切ですが私の中にある記憶や想像、希望が入り混じっている、或いは読んできた小説の中での風景が色や形となり絵として出来ています。絵を通して、今は小さくてもいずれ大きなエネルギーの源になれる仕事をしていくことを考えていきたい。
それはまだまだ具体的な形にはならないけれど、これまでの過程で見つけていきたい。
描くとき、空間的・時間的な広がりやエネルギーの大きさを表現できないか?
また、反対にその中のある部分的なものも想像して描くことができないか?
みて、受け止めて、考えて、或いは閃いて、それがどんな絵になるのか、楽しみながら作品と会話しています。」--- 井手菜穂
近年、雨をモチーフに取り入れることの多くなった井手は、“雨”には、嫌なことを流し、物事を整えてくれる役割もあると考えます。力強くも繊細な雨の気配を含みながら、井手自身の感性、心理などを反映させるように描かれた様々な花や風景を同じ空間で展示することで、そこから垣間見える社会の深層を探っています。 本展では、これまで井手が描いてきた色味や雨の表現を変え、少し違う印象の作品群が並びます。そこには、辛い出来事も多い世の中ではあるけれど、その中で日々の楽しいこともあるし、折り合いを付けながら生きていこうというポジティブな気持ちが含まれているようです。
これを機に井手菜穂の新作展を是非ご高覧ください。
作家・出演者 | 井手菜穂 |
会場 | s+arts (スプラスアーツ) |
住所 | 106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F |
アクセス | 六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩8分 六本木駅(都営大江戸線)7番口 徒歩9分 乃木坂駅(東京メトロ千代田線, 小田急小田原線)6番口 徒歩9分 |
会期 | 2025/03/21(金) - 04/05(土) |
時間 | 12:00-19:00(最終日17:00まで) |
休み | 日曜日、月曜日、火曜日 |
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