s+arts(スプラスアーツ)より、市川詩織 個展「the mystery club」の開催をお知らせいたします。
市川詩織は、人間と生き物の間に生まれる問題をモチーフに、シルクスクリーン版画やドローイング、ペインティング、時に立体等、様々な技法で作品を制作しています。人間の影響を受けて変化していく生き物たちを描くことで、人間社会が抱える問題を客観的に見出し、また、言葉を持たない生き物の情動を探る時のように多様な価値観を持って議論し、問題と向き合うことへの問いかけを、制作を通じて模索している作家です。
人間がいくら発達した生物であったとしても、結局は他の生き物が何を考えているのか、感情があるのか、意思があるのか等、全てを知る術はありません。たとえ人間同士であっても、他者のことを100%理解することは出来ないのであり、同じことが当てはまると市川は考えます。真実を知ることの出来ない「謎」にこそ、この世界の美しさ、本質があるという彼女は、その謎を抱きしめるような気持ちを鑑賞者と共有する媒体として、作品を制作します。
生物学の学術書から得た一般的な情報をもとに、より広い範囲の認識に当てはまるよう作品を制作してきた市川ですが、本展「the mystery club」では、自身の回りに起こる些細な体験をもとに制作された作品を発表いたします。
「これまで、違う生き物であるが故に真実を教えてはくれない生き物たちの心情を探るときのように、答えの出ない問題について温かな眼差しと汲み取りによって愛情深く考えてみるということを、絵を通して行ってきました。今回の展覧会は、その「謎」のもつ魅力に焦点を当てています。
謎のもつ尊さは、2023年ごろから急速に力をつけていったAIから、それらしい答えが簡単に手に入るようになったことによって、私の中でより魅力を放ち始めたように思います。AIは答えを教えてくれますが、それは本当に唯一の答えなのか、私は疑問を感じています。特に対人、対動物の場合の相手の心について、私たちの判断はAIが答えを出せる統計的な理由に加えて、それぞれの人物の思い出や体験に由縁するノスタルジー、宗教や土地の考え方も作用しているように思えるからです。私は、現代に生きる作家として、自分が直に感じたそれらを尊重しながら、謎をそのままに生きていきたいと思っています。
見てくださった皆さんにも、絵の中に散りばめられた謎の種のようなものを、持ち帰って育ててもらえたら嬉しいです。」--- 市川詩織
物事が日々刻々と変化する時代ではあるけれど、何かを目にした時に何に注目したのか、どの様な物語が沸き起こったのか、何に笑ったのかを謎のままにしておきたいと、市川は話します。ここでいう謎とは、彼女だけのものであると同時に、モチーフとなった生き物が持つ秘密と同じ価値を持ち、人間ならば共有できるものなのではないかという想いが込められているのです。
市川の作品には、「え?!」「こんなことある?」「そうかもしれない」等というように、観る者に驚きや問い、不確かな同意を与えるような内容が多く描かれています。今展のように、個人的なエピソードをもとに描かれる生き物たちの様子は、これまでよりも更に、見た際の「?」(クエスチョン)を鑑賞者に与えることでしょう。それでも何となく「そういうこともあるかも」という共感を得ることが出来るのは、我々が人間という生き物だからなのかもしれません。
グラフィカルなタッチでユーモラスに描かれる作品群は、心の中に沸き起こった気持ちの中の謎を、どうか守りぬいてほしいと願う市川の想いが込められているようです。これを機に、市川詩織の新作展を是非ご高覧ください。
市川詩織は、人間と生き物の間に生まれる問題をモチーフに、シルクスクリーン版画やドローイング、ペインティング、時に立体等、様々な技法で作品を制作しています。人間の影響を受けて変化していく生き物たちを描くことで、人間社会が抱える問題を客観的に見出し、また、言葉を持たない生き物の情動を探る時のように多様な価値観を持って議論し、問題と向き合うことへの問いかけを、制作を通じて模索している作家です。
人間がいくら発達した生物であったとしても、結局は他の生き物が何を考えているのか、感情があるのか、意思があるのか等、全てを知る術はありません。たとえ人間同士であっても、他者のことを100%理解することは出来ないのであり、同じことが当てはまると市川は考えます。真実を知ることの出来ない「謎」にこそ、この世界の美しさ、本質があるという彼女は、その謎を抱きしめるような気持ちを鑑賞者と共有する媒体として、作品を制作します。
生物学の学術書から得た一般的な情報をもとに、より広い範囲の認識に当てはまるよう作品を制作してきた市川ですが、本展「the mystery club」では、自身の回りに起こる些細な体験をもとに制作された作品を発表いたします。
「これまで、違う生き物であるが故に真実を教えてはくれない生き物たちの心情を探るときのように、答えの出ない問題について温かな眼差しと汲み取りによって愛情深く考えてみるということを、絵を通して行ってきました。今回の展覧会は、その「謎」のもつ魅力に焦点を当てています。
謎のもつ尊さは、2023年ごろから急速に力をつけていったAIから、それらしい答えが簡単に手に入るようになったことによって、私の中でより魅力を放ち始めたように思います。AIは答えを教えてくれますが、それは本当に唯一の答えなのか、私は疑問を感じています。特に対人、対動物の場合の相手の心について、私たちの判断はAIが答えを出せる統計的な理由に加えて、それぞれの人物の思い出や体験に由縁するノスタルジー、宗教や土地の考え方も作用しているように思えるからです。私は、現代に生きる作家として、自分が直に感じたそれらを尊重しながら、謎をそのままに生きていきたいと思っています。
見てくださった皆さんにも、絵の中に散りばめられた謎の種のようなものを、持ち帰って育ててもらえたら嬉しいです。」--- 市川詩織
物事が日々刻々と変化する時代ではあるけれど、何かを目にした時に何に注目したのか、どの様な物語が沸き起こったのか、何に笑ったのかを謎のままにしておきたいと、市川は話します。ここでいう謎とは、彼女だけのものであると同時に、モチーフとなった生き物が持つ秘密と同じ価値を持ち、人間ならば共有できるものなのではないかという想いが込められているのです。
市川の作品には、「え?!」「こんなことある?」「そうかもしれない」等というように、観る者に驚きや問い、不確かな同意を与えるような内容が多く描かれています。今展のように、個人的なエピソードをもとに描かれる生き物たちの様子は、これまでよりも更に、見た際の「?」(クエスチョン)を鑑賞者に与えることでしょう。それでも何となく「そういうこともあるかも」という共感を得ることが出来るのは、我々が人間という生き物だからなのかもしれません。
グラフィカルなタッチでユーモラスに描かれる作品群は、心の中に沸き起こった気持ちの中の謎を、どうか守りぬいてほしいと願う市川の想いが込められているようです。これを機に、市川詩織の新作展を是非ご高覧ください。
作家・出演者 | 市川詩織 |
会場 | s+arts (スプラスアーツ) |
住所 | 106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F |
アクセス | 六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩8分 六本木駅(都営大江戸線)7番口 徒歩9分 乃木坂駅(東京メトロ千代田線, 小田急小田原線)6番口 徒歩9分 |
会期 | 2025/02/07(金) - 22(土) |
時間 | 12:00-19:00(最終日17:00まで) |
休み | 日曜日、月曜日、火曜日 |
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