Padograph Icon

顕神の夢 ―幻視の表現者― 村山槐多、関根正二から現代まで

川崎市岡本太郎美術館

2023/04/29(土) - 06/25(日)

MAP
SHARE
Facebook share button
Image 688
※会期中展示替えがあります。(前期:4月29日~5月28日 後期:5月30日~6月25日)

非合理的で直接的な経験が表現者にとってかけがえのないモチベーションとなることがあります。
それはある種の宗教的な体験に似ていますが、宗教以前のものであり、宗教のもととなる出来事とも解釈できます。
表現者たちは、訪れたヴィジョンをたよりに、自己を超えた名状し難い「何か」を捉えるべく身を焦がす思いで制作します。
「何か」へのあこがれや思慕は、漠とした信仰心の発露ともいえます。 しかし、描けば描くほど、作れば作るほど、その「何か」は、表現者の手からすり抜け別のものとなり替わってしまいます。そのため、彼らは向こうから「何か」がやってくるのを待つしかありません。本展ではこのような心情を仮に「顕神の夢」と名付けてみました。
ときとして土俗的な印象を与える作品が出来(しゅったい)しますが、それは、近代化により捨象されず根強く残った心情の証しです。このような作品は既存の尺度では、測りえないものです。かといって、排除するわけにはいきません。現に作品は凄まじい力をもって迫ってきます。ならば、私たちは、作品にふさわしい尺度を学び、鍛えなければなりません。尺度がそぐえば作品は豊かな世界を開示してくれます。また、このような観点から、いわゆるモダニズムの文脈でのみ解釈されていた作品を読み直すことも可能です。優れた作品はすべからく不可知の領域に根ざしていると思われます。

本展は、今までモダニズムの尺度により零れ落ち、また、十分に評価されなかった作品に光をあてます。また、すでに評価が定まった近代の作品や、批評の機会を待つ現代の作品を、新たな、いわば「霊性の尺度」でもって測りなおすことにより、それらがもつ豊かな力を再発見、再認識する試みです。


みどころ

●日本近代の名品から現代美術まで幅広く展示
江戸時代の円空の作品から新進気鋭の若手作家まで、幅広い年代の約50名の表現者の作品が一堂に会します。日本近代の名作と現代美術が時代を超えて同じ会場に展示されるのは、「人間を超越した『何か』を感知し表現すること」をテーマとする本展ならではの特徴です。

●「人間を超越した『何か』」との関係性を軸とした展示
展覧会場は全5章構成で、「人間を超越した『何か』」と表現者との関係性を軸に展開していきます。第1章では、『何か』に憑りつかれて、つまり神懸りによって生まれた作品を展示します。第2章では、常人では感じえない『何か』を幻視する作家を紹介します。第3章で展示されるのは、夢に現れるイメージのように、『何か』からの刺激によって網膜を介さずに現れる光を留めた作品です。第4章では『何か』の姿を模った作品を、第5章では別次元の視点によって『何か』をこの世界にもたらす作品を紹介します。

●日本美術史を編み直す新たな視点
本展は、西洋的な美術史観とは別角度から、美術を捉えなおそうとする試みでもあります。モダニズムに通底する一神教的な価値観とは異なる、多様な『何か』によってもたらされた「霊性の尺度」によって新旧の作品を読み直していくことを目指します。

※本展では写真・動画撮影不可となります。


展示構成

1.見神者たち
2.幻視の画家たち
3.内向的光を求めて
4.神・仏・魔を描く
5.越境者たち

出典

作家・出演者村山槐多, 関根正二, 髙島野十郎, 岡本太郎, O JUN, 中園孔二, 円空, 萬鐵五郎, 古賀春江, 牧島如鳩, 金井南龍, 平野杏子, 真島直子, 舟越直木, 内田あぐりほか
会場川崎市岡本太郎美術館かわさきし おかもと たろう びじゅつかん (Taro Okamoto Museum of Art, Kawasaki, 가와사키시 오카모토타로 미술관, 川崎市冈本太郎美术馆)
住所
214-0032
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内
アクセス
向ヶ丘遊園駅(小田急線)南口 徒歩17分
登戸駅(JR南武線) 徒歩30分
会期2023/04/29(土) - 06/25(日)
時間9:30-17:00
※最終入館は16:30
休み月曜日(5月1日を除く)、5月9日(火)
観覧料一般 1,000円
高・大学生・65歳以上 800円
中学生以下 無料
SNS
    ウェブサイト