本展は、2024年3月に発表した個展「ONCE」の続編として、「Prequel」(和訳:「前日譚」)というタイトルのもと、制作当初の構想を再訪し、新たな視点で再構築された作品を発表します。
今回展示される2台のインタラクティブビデオは、前作のスクリーンに触れることで映像が変化する手法とは異なり、スクリーンと観客との距離に応じて映像に変化が生まれます。
作品はスクリーン越しに観客との距離を保ちながら、映像の奥行きを強調し、空間と時間の織りなす関係性を映し出します。
観客の微細な動きに反応して、永続的に繰り返される映像のループが伸縮し、曖昧な動きへと変容します。
すべての作品は、カメラと作家自身だけで行われた動きと模倣の記録です。
他の二つの映像作品では、カメラと作家が向かい合い、お互いを見つめながら模倣し合う様子が捉えられています。
本展は、2024年3月に発表した個展「ONCE」の続編として、「Prequel」(和訳:「前日譚」)というタイトルのもと、制作当初の構想を再訪し、新たな視点で再構築された作品を発表します。
本展に寄せて
— 時系列の中で事象として知覚するものは実在可能である。ただし、その時系列は実際には非時間的(non-temporal)な系列を形成するものでしかない —
本作を設営時のテスト段階で作品を拝見した際に、ネメスリヨという作家が何に対して接近を試みているのかを私なりに咀嚼してみたいと思った。
(字数が限られているので簡潔に)作風のひとつでもあるループ映像に関してネメスリヨは、IMAオンラインで掲載されているインタビューへの回答と、本展覧会に向けた黒瀧による恒例の談話の際でもほぼ変わることなく回答をしていた為、IMAオンラインをぜひとも一読して頂き、私は論を進めたいと想う。先の展覧会の説明文にも記載されている通り、映像は鑑賞者がスクリーンとの距離を詰める/離れるという行為のもと、映像が変化するというインタラクティブな作品である。また、本作だけではなくネメスリヨの作風は映像作品ではあるが、静止画の要素も踏まえた状態で、且つストーリー性を排除していることが本展に於いてネメスリヨの作品をさらに前へ進めているように私には思えてしかたがなかった。つまりこの作品はJohn McTaggartの哲学的実践をまさに作品化し、次の実践へと繋がる作品となり得る気がしたからだ。本展に寄せる文章はこの辺にし、展覧会の会場で補足説明をするのでそちらで。
最後に、John McTaggartが記した問いを本展覧会への返答として引用したいと思います。
— 時間の中に現れている系列は、無限または有限の長さを持つ系列なのか。我々はその現れてくるものを、それ自身でどうやって分割するのか。もし、我々が時間と変化のことを現れとして言いかえようとするなら、それは変化したり時間の中にあったりするような現れであってはいけないのか。それは時間であってはならないのか。そして、とにかく実在するものであることが明らかにされるのか —
対象商品の代金+1000円で購入できます。※詳しくは無印店舗、スタッフにお尋ねください。
今回展示される2台のインタラクティブビデオは、前作のスクリーンに触れることで映像が変化する手法とは異なり、スクリーンと観客との距離に応じて映像に変化が生まれます。
作品はスクリーン越しに観客との距離を保ちながら、映像の奥行きを強調し、空間と時間の織りなす関係性を映し出します。
観客の微細な動きに反応して、永続的に繰り返される映像のループが伸縮し、曖昧な動きへと変容します。
すべての作品は、カメラと作家自身だけで行われた動きと模倣の記録です。
他の二つの映像作品では、カメラと作家が向かい合い、お互いを見つめながら模倣し合う様子が捉えられています。
本展は、2024年3月に発表した個展「ONCE」の続編として、「Prequel」(和訳:「前日譚」)というタイトルのもと、制作当初の構想を再訪し、新たな視点で再構築された作品を発表します。
本展に寄せて
— 時系列の中で事象として知覚するものは実在可能である。ただし、その時系列は実際には非時間的(non-temporal)な系列を形成するものでしかない —
本作を設営時のテスト段階で作品を拝見した際に、ネメスリヨという作家が何に対して接近を試みているのかを私なりに咀嚼してみたいと思った。
(字数が限られているので簡潔に)作風のひとつでもあるループ映像に関してネメスリヨは、IMAオンラインで掲載されているインタビューへの回答と、本展覧会に向けた黒瀧による恒例の談話の際でもほぼ変わることなく回答をしていた為、IMAオンラインをぜひとも一読して頂き、私は論を進めたいと想う。先の展覧会の説明文にも記載されている通り、映像は鑑賞者がスクリーンとの距離を詰める/離れるという行為のもと、映像が変化するというインタラクティブな作品である。また、本作だけではなくネメスリヨの作風は映像作品ではあるが、静止画の要素も踏まえた状態で、且つストーリー性を排除していることが本展に於いてネメスリヨの作品をさらに前へ進めているように私には思えてしかたがなかった。つまりこの作品はJohn McTaggartの哲学的実践をまさに作品化し、次の実践へと繋がる作品となり得る気がしたからだ。本展に寄せる文章はこの辺にし、展覧会の会場で補足説明をするのでそちらで。
最後に、John McTaggartが記した問いを本展覧会への返答として引用したいと思います。
— 時間の中に現れている系列は、無限または有限の長さを持つ系列なのか。我々はその現れてくるものを、それ自身でどうやって分割するのか。もし、我々が時間と変化のことを現れとして言いかえようとするなら、それは変化したり時間の中にあったりするような現れであってはいけないのか。それは時間であってはならないのか。そして、とにかく実在するものであることが明らかにされるのか —
対象商品の代金+1000円で購入できます。※詳しくは無印店舗、スタッフにお尋ねください。
作家・出演者 | ネメスリヨ |
会場 | デカメロン (Decameron) |
住所 | 160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-12-4 2F |
アクセス | 西武新宿駅(西武新宿線) 徒歩3分 新宿駅(JR) 徒歩5分 新宿3丁目駅(東京メトロ丸ノ内線, 副都心線, 都営新宿線) 徒歩6分 |
会期 | 2024/09/06(金) - 28(土) |
時間 | 日曜日、月曜日 18:00-24:00 火曜日から土曜日 17:00-26:00 ※24時以降のご鑑賞はご一報下さい |
観覧料 | ¥500 |
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