キム・ハク「MY BELOVED」

BankART Station

2024/11/02(土) - 17(日)

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Image 3974
カンボジアというとたいていの人はアンコール・ワットやクメール・ルージュというイメージを持っていますが、この国にはそれを遙かに超えるものがあります。「My Beloved」はこのイメージに対する私のこたえなのです。私はここで生まれ育ちました。私に命を授け、豊かな芸術と文化があり、美しい人々が暮らし、自然に恵まれた土地なのです。

写真家として専念し始める前の2003年から7年間、私は旅行業界で働きながらカンボジアの各地を旅しました。この間の2年間、アンコール遺跡でアプサラ機構の考古学チームと過ごし、5年間プノンペンの旅行会社で働きました。この経験から、自分の国について学び、その後の旅に役に立つ貴重な知識を得ました。2012年に個人的な旅に出て、一人で、あるいは親しい友人や家族と一緒に全国各地を旅し、多様な写真を撮りました。メコン川沿い、トンレ・サップ湖周辺、首都プノンペン、南部の海へ行き海岸沿いの州も訪れて、様々な風景を記録しました。カンボジアの変わり続ける風景の中に、自然、人の営み、時の流れによって作られた普遍的で穏やかな美しさを私は発見しました。このプロジェクトに取り組み始めた時から、撮影する時間帯を早朝のみに絞りました。その方が明かりが柔らかく、また夜明けをカンボジアの新しいイメージ誕生の象徴ととらえたのです。この個人的な旅のアルバムでは、常に精密なフレーミングを行い、一切加工しない色がカンボジアの風景の豊かさと多様性を繊細に照らし出しています。この創作活動には10年を費やし、カンボジアの近年の急速な変動や都市開発のために失われた場所や大きく変化した場所を、私は目撃する事ができました。

「MyBeloved」はアナログ写真による個人的な旅路であり、私の母国に贈るラブレターです。撮影した場所に対する私の感情と感傷的な思いを表しています。それぞれの場所で、その雰囲気を吸収し、空気を吸い、被写体である自然と人の感触を余すことなく感じ取るために時間をかけました。慎重に封筒を開けて中から大切な手紙を取り出す時のように、カンボジアの穏やかな時の流れと豊かな色彩を世界に伝えるのが、この仕事における私の意図です。

新しい世代が希望と夢を持つ事ができる大地を巡る写真の旅

カンボジア、2012–2022

キム・ハク(1981年生まれ)
カンボジアの北西部に位置するバッタンバン市出身。クメール・ルージュ政権崩壊の2年後に生まれ、両親から当時の記憶を聞いて育つ。クメール・ルージュ政権前後のカンボジアの社会史を記憶・再生・再解釈するプロジェクト「Alive」をはじめ、土地や建物の記憶や変化する祖国の風景を撮影して記録し、カンボジアの政治的文化的構造に関連するテーマを探求している。
https://www.kimhak.com/biography/

出典

作家・出演者キム・ハク
会場BankART Stationばんかーと すてーしょん (バンカートステーション)
住所
220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅 B1F
アクセス
新高島駅(みなとみらい線)構内
会期2024/11/02(土) - 17(日)
時間11:00-19:00
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