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詫摩昭人、Tat Ito、Nimyu、John Gall「In Your City」

CLEAR GALLERY TOKYO

2023/11/24(金) - 12/16(土)

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Akihito Takuma “Lines of Flight, op.888”   H53 × W45.5 cm Oil on canvas
Akihito Takuma “Lines of Flight, op.888” H53 × W45.5 cm Oil on canvas
この度CLEAR GALLERY TOKYOでは、AKIINOUEキュレーションによるグループ展「In Your City」を開催いたします。

本展では、六本木という大都市を舞台に、詫摩昭人、Tat Ito(タット・イトウ)、Nimyu(ニミュ)、John Gall(ジョン・ゴール)の4人のアーティストそれぞれが、多種多様な背景、文化、視点から想像する「都市」を、作品を通して表現します。パンデミック、戦争、富の格差などによる社会不安に苛まれる今現在でも、力強い輝きを持ったアーティスト達が生み出すその自由な「都市」は、やがて一つの「世界」に生まれ変わり、私たちの心を明るく照らします。

詫摩昭人は、1966年、熊本県に生まれ、現在神奈川県にスタジオを構えるアーティストです。作品タイトルでもある「逃走の線」は、詫摩が私淑するフランスの哲学者ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze)が提唱した、二項対立をすり抜けるコンセプトの絵画シリーズです。ここで用いられる「逃走」にはネガティヴな要素はなく、「解放」あるいは「出発」といったポジティブなアクションです。また「線」には「回路」の意味も重ねられており、刷毛のストロークで一瞬にして生じる無数の線状は、管理され、硬直化した現代社会のシステムにノイズを入れると同時に、人間性の回復へと接続する回路をも表象しています。

タット・イトウは愛知県名古屋市生まれ、現在は東京を拠点に活動しているアーティストです。物語や感情を伝える手段としての芸術の役割に魅了され、古代エジプトの壁画、キリスト教の写本やイスラム教のミニチュア、東洋の絵巻物や屏風から日本の漫画など、古今東西様々な芸術的文化を自身の作品に反映させています。東洋の伝統芸能を思わせる緻密な筆の技術に、西洋のアカデミックな美学要素を融合し、時間や距離を超えて文化的なギャップを橋渡しするイトウの芸術的観点は、絶えず変化する文化環境の視覚的なメタファーを構築しています。

中国に生まれ、北京の中央美術学院でBFAを取得、後にニューヨーク・アカデミー・オブ・アート⼤学院を卒業したニミュは、現在東京を拠点に活動するアーティストです。ニミュは、ペインティング、ビデオ、インスタレーションなど様々なメディアを通して、社会を構成する形の見えないさまざまな情報を複合的に捉えようとする、人間の習性について考えます。ニミュの作品の中にしばしば登場する色鮮やかで凛とした異形な生物、植物、食物に私たちは魅了され、描かれているものが何であるのか、作家は何を伝えようとしているのか、無意識的に理解したいと思うようになります。その行為は、日々受け取る情報を理解、処理しようとしている私たちの姿そのものであり、ニミュの仕掛けるトリックであります。

ジョン・ゴールは、主に本の表紙のデザインで知られるアメリカのグラフィックデザイナー・アーティストです。これまで30年以上にわたり、デイブ・エガーズ、村上春樹、ウラジミール・ナボコフなどの著名な作家のために制作した本の表紙デザインで主に知られており、Alfred A Knopf、Nonesuch Records、Criterion Collectionなどにおける受賞歴のある仕事でも注目されています。ゴールの独自のコラージュへのアプローチは、シンプルな形とテクニックを使用して本来のコラージュのプロセスを解体し、デザインの概念的および視覚的な制約から解放されることを可能にしています。今展では、「About About New York」シリーズと題された、ゴールの制作史最大サイズのオリジナルコラージュ作品を9点発表します。

本展のオープニング・レセプションは、11月24日(金) 17:00 - 19:00 にCLEAR GALLERY TOKYOにて開催致します。
出生、性別、年齢も様々な4人のアーティストが創り出す都市を皆様にお楽しみいただけると幸いです。

詫摩昭人 Akihito Takuma
1966年熊本県生まれ、現在神奈川を拠点に制作。
1993-1994年渡欧しシルクロ・デ・べラス・アルテス マドリード総合芸術センター在籍。現在、和光大学芸術学科教授(絵画担当)。
2004年より油彩作品〈逃走の線〉を制作。2005年兵庫国際絵画コンペティション優秀賞を受賞。国内外の多くの展覧会で作品を発表している。兵庫県立美術館、いわき市立美術館、色彩美術館などに作品が収蔵されている。
近年の主な展覧会に「Akihito Takuma 」Galerie Benjamin Eck(ミュンヘン、ドイツ、2020)、「た・び・て・ん」(兵庫県立美術館、2022)、「逃走の線 Color 」(Yoshiaki Inoue Gallery Gallery、2022)、「逃走の線 勝負は一瞬で決まる、ただし負けることが多いのですが」(CADAN 有楽町、企画:Yoshiaki Inoue Gallery、2023)など。

タット・イトウ Tat Ito
1978年名古屋市生まれ、現在東京在住。
2015年アカデミーオブアートユニバーシティ・サンフランシスコ卒業後、2018年ニューヨークアカデミーオブアート修了。
Joshua Liner Gallery(ニューヨーク)、Above Second Gallery(香港)での個展や、Anne Mosseri-Marlio Gallery(スイス)、Art Southampton など国内外で作品を発表している。
近年の主な展覧会に「知識の実とヤシの葉」 (dual exhibition、CLEAR GALLERY TOKYO、2021)、「風の強い空と捕虫網と虫メガネ」(TAKU SOMETANI GALLERY 、2022)、「Polyreality」(Hive Center for Contemporary Art、Beijing、2023)など。

ニミュ Nimyu
中国北京市生まれ。 北京の中央美術学院を卒業後、ニューヨークアカデミーオブアートにて大学院修了。 絵画、映像、アニメーションなど様々なメディアを用いて、情報主導型の社会とその情報の信憑性をテーマに作品を制作している。
2012年ニューヨークのFuse Galleryで個展デビュー以降、2015、2016年、2017年と北京のMOUart Galleryで個展を開催。 Atami Project Art Grant を2度受賞したニミューの作品は、White Rabbit Museum in Sydney(オーストラリア)やThe Scope Art Fair Basel(スイス)、Masur Museum of Art(ロサンゼルス)、Urban Art and Media Organization(ドイツ)、Jack the Pelican Presents、Limner Gallery、Sloan Fine Art(ニューヨーク)、An Yun Art and Design Center(中国)、SxV Museum of Modern Art(中国)など世界中で発表されている。近年の展覧会に「知識の実とヤシの葉」 (dual exhibition、CLEAR GALLERY TOKYO、2021)、2022年と2023年には、TAKU SOMETANI GALLERY(東京)で個展「Invisible Ark; Where is the Other Shore You Want to Reach?」と「Ài ài」を開催。

ジョン・ゴール John Gall
アメリカのグラフィックデザイナー・アーティスト
エイブラハムブックスのクリエイティブディレクター/デザイナー/編集者を務める。Alfred A Knopfのクリエイティブ・ディレクターでもあり、また過去25年にわたりノンサッチ・レコードのために数十の優れたアルバムジャケットのデザインを担当。多くの著名な作家のブックカバーをデザインし、アメリカン・インスティテュート・オブ・グラフィック・アーツから50以上の賞を受賞している。2000年の後半よりコラージュ作品の制作をスタート。デザインにおける新しい視覚言語の探求は、実験を重ね、独自のスタイルを確立し、それ以来進化し続けている。
本展で発表される新シリーズ「About About New York」は、ニューヨークでかき集めた素材だけを使用して作成されている。作品は文字通りの意味や物語的な要素を持たず、印刷媒体でのニューヨークの表現方法を再構築し、コレージュされたイメージの対比は、ニューヨークの生活の密度と二律背反を反映している。五つ星のレストランの外にホットドッグのカートが、ブティックホテルの隣にホームレスがいたり、プラスチック袋とヴィトンの荷物、路上ミュージシャンとカーネギーホールなど、変化し続ける都市での、変化し続ける偶然が並べられている。

出典

作家・出演者詫摩昭人, Tat Ito, Nimyu, John Gall
会場CLEAR GALLERY TOKYOくりあ ぎゃらりー とーきょー
住所
106-0032
東京都港区六本木7-18-8 岸田ビル 2F
アクセス
六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩3分
六本木駅(都営大江戸線)4b口 徒歩8分
乃木坂駅(東京メトロ千代田線)6番口 徒歩12分
会期2023/11/24(金) - 12/16(土)
時間12:00-18:00
休み日・月・祝日
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