Padograph Icon

特別展示『アヴェス・ヤポニカエ〈9〉 ― 表現のダイヴァーシティ』

JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク

2023/08/12(土) - 11/03(金)

MAP
SHARE
Facebook share button
河辺華挙の描いた「鳥類写生図」は粉本、すなわち日本画の手本となる参考資料である。この巻物には様々な鳥の詳細なスケッチが収められ、いわば「紙に描いた標本」ともいえる。
そのタッチは極めてリアリスティックなものであり、鳥の羽毛一枚、脚の鱗一つまでが描かれている。各部の色や羽毛の枚数を指定した絵もある。
一方、そのリアルな描画は、我々が普段目にする定型的な日本画とはあまりに隔たっている。これはすなわち、画家たちは精密な描写からステレオタイプな花鳥画まで、非常に大きな幅を持った表現を行なっていたことを意味する。
今回は「鳥類写生図第二巻」を紐解き、リアルなスケッチから図案化された日本画までが一巻に収められた様子をご覧いただきたい。さらに、同巻に収められた山本正幸(暉山)の描いた鳥に至っては全く画風が違い、より漫画的でさえある。
絵とは細密なものだけが優れているのではない。対象のどこをどう省略し、強調し、デフォルメして「絵」として完成させるか、その過程も画家の技量である。そこには時代や地域を超えたデフォルメの共通性といったものも感じられる。また、それは人間が外界をどのように見ているかを、改めて我々に教えてくれるものでもあるだろう。

主催 東京大学総合研究博物館

出典

作家・出演者河辺華挙, 山本正幸(暉山)
会場JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテクじぇいぴー たわー がくじゅつ ぶんか そうごう みゅーじあむ いんたーめでぃあてく (INTERMEDIATHEQUE)
住所
100-7003
東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE 2-3F
アクセス
東京駅(JR)丸ノ内南口 徒歩1分
二重橋前駅(東京メトロ千代田線)4番出口 徒歩2分
会期2023/08/12(土) - 11/03(金)
時間11:00-18:00(金・土は20時まで開館)
※8/14-16、9/17、10/8も20時まで開館
休み月曜日、9/4-11
※8/14、8/21、9/18、10/9は開館
※9/19、10/10は休館
SNS
    ウェブサイト