無人島プロダクションでは3/24から4/2まで松田修展「なんぼのもんじゃい」を開催いたします。
本展は、松田の初単著「尼人(あまじん)」刊行の直前(イーストプレス刊/4月20日刊行予定)、かつ参加中の「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展(森美術館)のクローズ直前であり、5月8日から新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる前のタイミングで開催する、緊急開催展です。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う数度の緊急事態宣言の発出は、不要不急の外出自粛をはじめとした生活の緊張感をもたらしました。3年の間にそれは薄れ、徐々に日常が戻りつつありますが、とはいえコロナ以前のような日常はまだ先になるかもしれません。長期にわたるマスク着用の生活が与えた影響、対人からオンラインに移行した生活もだんだんと馴染みが出てきたこのタイミング。5類に移行したことで人によっては以前どおりか以前より活発に動く人もいるでしょう。かたやこの数年間慣れない状況にがんばり続けて張り詰めていた糸がゆるみ、がんばり続けることに疲れが出る人もそれ以上に多くいるのではないでしょうか。
この展覧会は、新型コロナ禍最中の2020年末に開催した個展「こんなはずじゃない」に連なるかたちの展覧会となります。
前回の個展「こんなはずじゃない」が、新型コロナ発生および緊急事態宣言発出などによる混乱の最中に制作した作品群だったとしたら、本展で発表する新作は、コロナ禍の生活で見つけた自分のテリトリーの中から見出した世界観を提示する試みとなります。
展覧会タイトルは、決意というよりは自身を奮い立たせ鼓舞するような(少々乱暴に聞こえる)言葉を作家が選びました。
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お上に勧められた「新しい生活様式」を受け入れたわけでもないのに、緊急事態宣言があったころよりも家にこもっている。打ち合わせはすべてオンラインになり、置き配が可能となったネットショッピングにハマり、本業どころか副業も自宅でやるようになり、なにより近所の好きだった呑み屋はなくなってしまった。(そのぶん閉店という概念がない「宅飲み」によって酒量は増えた。)歩いて10分ほどの駅前の西友が、いまでは地球の裏側のように感じられる。
しかしながら、この期間ほど自分の、そして他人の、「人の営み」について考えたり想像したりした期間はない。コロナ禍前には自分は自分、他人は他人とシビアに考えている節があった僕が、日常からどこかの誰かとつながっている感覚を覚えることが多々あった。以前よりも能動的に人に会い、自分と同じような境遇に共感した。以前よりも、生きること、生活すること自体がアートにつながると思えるようになった。そして、以前より「だらしなさ」で包まれた生活空間が、自分専用の美術館のように感じられることすらあった。ある意味、耽美的な毎日だった。
とはいえ、そろそろ外に出ねばなるまい。自宅で気持ちよく酔っ払っている状態ばかりではまずい。外は刻々と動いている。
そこで、外からの情報ばかりで肥大化・妄想化したアイデアと、出不精極まる感覚とを融合した展覧会を提案することにした。しかし、なまった身体を起こすには気合いがいる。いまでは関西人ですら言わない、かの有名なフレーズを唱えてみよう。
「なんぼのもんじゃい!」
同じ関西弁で訳すと、今回は「オラァ! 負けへんぞ、ボケェ! やったんぞ、カスゥ!」って感じだろうか。相手は新型コロナか社会か自分なのか、これから起きて向かうのは明け方か暮れ方か。とりあえず、この期間が「よい期間」だったと本当に思えるのは、よい作品が残せたときということだけはわかっている。
松田修
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短い会期での開催となりますが、ぜひご来場ください。
無人島プロダクション
本展は、松田の初単著「尼人(あまじん)」刊行の直前(イーストプレス刊/4月20日刊行予定)、かつ参加中の「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展(森美術館)のクローズ直前であり、5月8日から新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる前のタイミングで開催する、緊急開催展です。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う数度の緊急事態宣言の発出は、不要不急の外出自粛をはじめとした生活の緊張感をもたらしました。3年の間にそれは薄れ、徐々に日常が戻りつつありますが、とはいえコロナ以前のような日常はまだ先になるかもしれません。長期にわたるマスク着用の生活が与えた影響、対人からオンラインに移行した生活もだんだんと馴染みが出てきたこのタイミング。5類に移行したことで人によっては以前どおりか以前より活発に動く人もいるでしょう。かたやこの数年間慣れない状況にがんばり続けて張り詰めていた糸がゆるみ、がんばり続けることに疲れが出る人もそれ以上に多くいるのではないでしょうか。
この展覧会は、新型コロナ禍最中の2020年末に開催した個展「こんなはずじゃない」に連なるかたちの展覧会となります。
前回の個展「こんなはずじゃない」が、新型コロナ発生および緊急事態宣言発出などによる混乱の最中に制作した作品群だったとしたら、本展で発表する新作は、コロナ禍の生活で見つけた自分のテリトリーの中から見出した世界観を提示する試みとなります。
展覧会タイトルは、決意というよりは自身を奮い立たせ鼓舞するような(少々乱暴に聞こえる)言葉を作家が選びました。
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お上に勧められた「新しい生活様式」を受け入れたわけでもないのに、緊急事態宣言があったころよりも家にこもっている。打ち合わせはすべてオンラインになり、置き配が可能となったネットショッピングにハマり、本業どころか副業も自宅でやるようになり、なにより近所の好きだった呑み屋はなくなってしまった。(そのぶん閉店という概念がない「宅飲み」によって酒量は増えた。)歩いて10分ほどの駅前の西友が、いまでは地球の裏側のように感じられる。
しかしながら、この期間ほど自分の、そして他人の、「人の営み」について考えたり想像したりした期間はない。コロナ禍前には自分は自分、他人は他人とシビアに考えている節があった僕が、日常からどこかの誰かとつながっている感覚を覚えることが多々あった。以前よりも能動的に人に会い、自分と同じような境遇に共感した。以前よりも、生きること、生活すること自体がアートにつながると思えるようになった。そして、以前より「だらしなさ」で包まれた生活空間が、自分専用の美術館のように感じられることすらあった。ある意味、耽美的な毎日だった。
とはいえ、そろそろ外に出ねばなるまい。自宅で気持ちよく酔っ払っている状態ばかりではまずい。外は刻々と動いている。
そこで、外からの情報ばかりで肥大化・妄想化したアイデアと、出不精極まる感覚とを融合した展覧会を提案することにした。しかし、なまった身体を起こすには気合いがいる。いまでは関西人ですら言わない、かの有名なフレーズを唱えてみよう。
「なんぼのもんじゃい!」
同じ関西弁で訳すと、今回は「オラァ! 負けへんぞ、ボケェ! やったんぞ、カスゥ!」って感じだろうか。相手は新型コロナか社会か自分なのか、これから起きて向かうのは明け方か暮れ方か。とりあえず、この期間が「よい期間」だったと本当に思えるのは、よい作品が残せたときということだけはわかっている。
松田修
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短い会期での開催となりますが、ぜひご来場ください。
無人島プロダクション
作家・出演者 | 松田修 |
会場 | 無人島プロダクション (MUJIN-TO Production) |
住所 | 130-0022 東京都墨田区江東橋5-10-5 |
アクセス | 菊川駅(都営新宿線)A3出口 徒歩6分 住吉駅(東京メトロ半蔵門線, 都営新宿線)B2出口 徒歩8分 錦糸町駅(JR総武線)南口 徒歩10分 錦糸町駅(東京メトロ半蔵門線)1番出口 徒歩10分 |
会期 | 2023/03/24(金) - 04/02(日) |
時間 | 月~金:13:00-19:00 土・日:12:00-18:00 |
休み | 会期中無休 |
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