現代イタリアを代表する建築家・デザイナーでアーティストのミケーレ・デ・ルッキは建築家として先鋭的な活動を続けるとともに、20年以上にわたって手仕事への情熱から創作活動に取り組み、新たなフォルムを探求し続けてきました。マテリアルの選択から仕上げにいたる、数多くのプロセスにおける絶え間ない実験。その芸術を生成させる力は同時に、彼が建築の新たな概念を思考・定義する原動力なのです。本展は、デ・ルッキの創作活動の一つである彫刻「ロッジア」シリーズの新作3点を含む日本初公開となる展覧会です。
発端は2019年。21_21 DESIGN SIGHTで交わされたデ・ルッキと三宅一生との対話をきっかけに始動した本展は、ギャラリー3の空間のためのプロジェクトであり、会場には木製3点、ブロンズ製3点の「ロッジア」=6つの家(セイ カーゼ)が、制作過程の映像とともにインスタレーションされます。デ・ルッキは、会場のある六本木の地名が、かつて存在した6軒の武家屋敷に由来するという一説を知り、6つの家の彫刻作品との間に偶然の一致を見出し、本展を「六本木六軒」と名づけました。
6つの家は、アセチル化処理(木材を安定させ、耐水性、防腐等を高める酸化処理)を施したオーク材の台座に置かれ、そのディテールのデザインもデ・ルッキが手掛けました。
「木とブロンズはそれによって人類が文明を形成し、人間性を成長させてきた最も古くて高貴なマテリアルなのです」
使用したマテリアルには人類学的な意味があるとデ・ルッキは語っています。
「ロッジア」の制作のなかで探究したのは、「間(あわい)の空間」の概念。それは、家の内と外をつなぐ空間であり、内で営まれる生活と外の環境が融合する場です。「ロッジア」の壁には、日本家屋の仕切りである障子と、ヨーロッパの住居におけるロッジア(涼み廊下)を想わせる要素が編み込まれています。それは、職人の手仕事に対する共通する価値観を持つと同時に大きく異なる日本とイタリアの建築文化は、互いを融合させることでより完璧なものになると考えるデ・ルッキが、双方の文化に渡す架け橋と呼べるでしょう。
デ・ルッキにとって「ロッジア」は、人が生きる空間をイメージするための自由な旅のようなもの、パッケージ化された建築の概念から離れ、外の世界を採り入れる透過性のある環境の探求です。
「『ロッジア』は、伝統的な日本の茶室を想わせると同時に、建物の内と外との間に連続的な空間を作り出そうと試みる、現代の先端建築を想起させます。
自然の驚異的な力と人間のはかない本質を共存させるため、建築と人と自然との関係はますます重要なものとなり、私たちは生き方の新たなふるまいを模索する必要があるのです」。
本展は、実在する場所について考える一つの方法であり、人々が他者と、都市と、あるいは自然と共に生きる助けとなる、健全な建物とはなにかを模索する場なのです。
発端は2019年。21_21 DESIGN SIGHTで交わされたデ・ルッキと三宅一生との対話をきっかけに始動した本展は、ギャラリー3の空間のためのプロジェクトであり、会場には木製3点、ブロンズ製3点の「ロッジア」=6つの家(セイ カーゼ)が、制作過程の映像とともにインスタレーションされます。デ・ルッキは、会場のある六本木の地名が、かつて存在した6軒の武家屋敷に由来するという一説を知り、6つの家の彫刻作品との間に偶然の一致を見出し、本展を「六本木六軒」と名づけました。
6つの家は、アセチル化処理(木材を安定させ、耐水性、防腐等を高める酸化処理)を施したオーク材の台座に置かれ、そのディテールのデザインもデ・ルッキが手掛けました。
「木とブロンズはそれによって人類が文明を形成し、人間性を成長させてきた最も古くて高貴なマテリアルなのです」
使用したマテリアルには人類学的な意味があるとデ・ルッキは語っています。
「ロッジア」の制作のなかで探究したのは、「間(あわい)の空間」の概念。それは、家の内と外をつなぐ空間であり、内で営まれる生活と外の環境が融合する場です。「ロッジア」の壁には、日本家屋の仕切りである障子と、ヨーロッパの住居におけるロッジア(涼み廊下)を想わせる要素が編み込まれています。それは、職人の手仕事に対する共通する価値観を持つと同時に大きく異なる日本とイタリアの建築文化は、互いを融合させることでより完璧なものになると考えるデ・ルッキが、双方の文化に渡す架け橋と呼べるでしょう。
デ・ルッキにとって「ロッジア」は、人が生きる空間をイメージするための自由な旅のようなもの、パッケージ化された建築の概念から離れ、外の世界を採り入れる透過性のある環境の探求です。
「『ロッジア』は、伝統的な日本の茶室を想わせると同時に、建物の内と外との間に連続的な空間を作り出そうと試みる、現代の先端建築を想起させます。
自然の驚異的な力と人間のはかない本質を共存させるため、建築と人と自然との関係はますます重要なものとなり、私たちは生き方の新たなふるまいを模索する必要があるのです」。
本展は、実在する場所について考える一つの方法であり、人々が他者と、都市と、あるいは自然と共に生きる助けとなる、健全な建物とはなにかを模索する場なのです。
作家・出演者 | ミケーレ・デ・ルッキ |
会場 | 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3 |
住所 | 107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン |
アクセス | 六本木駅(都営大江戸線) 徒歩5分 六本木駅(東京メトロ日比谷線) 徒歩5分 乃木坂駅(千代田線) 徒歩5分 |
会期 | 2024/09/20(金) - 10/14(月) |
時間 | 10:00-19:00 *入場は18:30まで * 六本木アートナイト特別開館時間:9月27日(金)、28日(土)10:00 - 22:00 |
休み | 火曜日 |
観覧料 | 無料 |
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