s+arts(スプラスアーツ)より、山﨑亜記子個展「断片的な記憶、断面的な時間」の開催をお知らせいたします。
「記憶」「空間」「時間」を作品の中の重要な要素とし、主に鉛筆と油彩やアクリル絵具で制作する山﨑亜記子は、現在・過去・未来や人の存在についての関係性と、3つの要素の組み合わせや焦点を変えたりすることで、絵画空間を構成しています。人の存在を人物画ではなく、関係性を基にして組み合わせられた、記憶や空間、時間の概念を超えた景色として描きます。コロナ渦以降、変化、変容、そして日常も制作するうえでの主要なテーマとして加わり、繰り返しと変化や、存在と不在など、相反する要素を交えながら、自身の作品を、我々が生きる現在を考察する方法であり、時間や記憶の記録であると捉え、制作を続けています。
これまでの山﨑の作品は、残像や痕跡を軸に描かれており、常に気配を感じることが出来つつも、殆ど人や動物が出てきませんでした。しかしながら近年では、様々ないきものが、変化や変容、関係性の象徴として大胆に登場します。そこには、作品に描かれている景色に更に踏み込み、何をしている場面なのか見え方を意識して描くようになったからだと彼女は話します。また、どことなく遠くの景色を描いているような、全体的に薄暗い色味が特徴的だったのに比べ、明るく淡い色彩が取り入れられた作品が多く見られるようになったのも、作中に登場するいきものや出来事に焦点を当てることによって自然と変化が出てきたようです。
本展「断片的な記憶、断面的な時間」では、作品に描かれる内容の細部にまで山﨑が設定した意味合いを持たせ、記憶と時間を基に物語を描くことを試みました。
「起承転結のない物語、私の人生の様に。
描いているものの多くは、繰り返される日常、日常/反復への飽きと愛着、抱え込む矛盾。
変化や何かに憧れたり、迷ったり、そして夥しい数の選択。
想像すること。追憶。何かを思い出したり、夢を見たり、そして消えていく。 すでに消えた、失った、手放したものたち。
ふと生きるとはなにかと考える。
断片的な記憶の物語と続く時間/物語の断面が今回の展示です。
繰り返しの様な日常、その中であこがれたり、何度も迷ったり、喪ったりしながらも生きている、
ドラマチックではないかもしれないけれど続いていく、大切な物語。」--- 山﨑亜記子
今回は、これまでも度々描かれてきた建物のような部屋の各々全てにハムスターのようないきものが登場したり、景色が描かれている作品の一部をクローズアップしたシーンを別の作品に登場させたりと、物語を含ませる以外にも様々な仕掛けが施されています。日常、変化、喪失、をキーワードに、絶望ではなく、希望がきっとどこかにあると願い描かれる山﨑の作品は、時間軸や空間軸を行き来し、時には描かれる主体の目線をも変えながら、観る者に「日々を人が生きること」について問いかけているようにも感じられます。様々な視点から物事を考察し、不思議な世界観で観る者を魅了する山﨑亜記子の新作展を是非お楽しみください。
「記憶」「空間」「時間」を作品の中の重要な要素とし、主に鉛筆と油彩やアクリル絵具で制作する山﨑亜記子は、現在・過去・未来や人の存在についての関係性と、3つの要素の組み合わせや焦点を変えたりすることで、絵画空間を構成しています。人の存在を人物画ではなく、関係性を基にして組み合わせられた、記憶や空間、時間の概念を超えた景色として描きます。コロナ渦以降、変化、変容、そして日常も制作するうえでの主要なテーマとして加わり、繰り返しと変化や、存在と不在など、相反する要素を交えながら、自身の作品を、我々が生きる現在を考察する方法であり、時間や記憶の記録であると捉え、制作を続けています。
これまでの山﨑の作品は、残像や痕跡を軸に描かれており、常に気配を感じることが出来つつも、殆ど人や動物が出てきませんでした。しかしながら近年では、様々ないきものが、変化や変容、関係性の象徴として大胆に登場します。そこには、作品に描かれている景色に更に踏み込み、何をしている場面なのか見え方を意識して描くようになったからだと彼女は話します。また、どことなく遠くの景色を描いているような、全体的に薄暗い色味が特徴的だったのに比べ、明るく淡い色彩が取り入れられた作品が多く見られるようになったのも、作中に登場するいきものや出来事に焦点を当てることによって自然と変化が出てきたようです。
本展「断片的な記憶、断面的な時間」では、作品に描かれる内容の細部にまで山﨑が設定した意味合いを持たせ、記憶と時間を基に物語を描くことを試みました。
「起承転結のない物語、私の人生の様に。
描いているものの多くは、繰り返される日常、日常/反復への飽きと愛着、抱え込む矛盾。
変化や何かに憧れたり、迷ったり、そして夥しい数の選択。
想像すること。追憶。何かを思い出したり、夢を見たり、そして消えていく。 すでに消えた、失った、手放したものたち。
ふと生きるとはなにかと考える。
断片的な記憶の物語と続く時間/物語の断面が今回の展示です。
繰り返しの様な日常、その中であこがれたり、何度も迷ったり、喪ったりしながらも生きている、
ドラマチックではないかもしれないけれど続いていく、大切な物語。」--- 山﨑亜記子
今回は、これまでも度々描かれてきた建物のような部屋の各々全てにハムスターのようないきものが登場したり、景色が描かれている作品の一部をクローズアップしたシーンを別の作品に登場させたりと、物語を含ませる以外にも様々な仕掛けが施されています。日常、変化、喪失、をキーワードに、絶望ではなく、希望がきっとどこかにあると願い描かれる山﨑の作品は、時間軸や空間軸を行き来し、時には描かれる主体の目線をも変えながら、観る者に「日々を人が生きること」について問いかけているようにも感じられます。様々な視点から物事を考察し、不思議な世界観で観る者を魅了する山﨑亜記子の新作展を是非お楽しみください。
作家・出演者 | 山﨑亜記子 |
会場 | s+arts (スプラスアーツ) |
住所 | 106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F |
アクセス | 六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩8分 六本木駅(都営大江戸線)7番口 徒歩9分 乃木坂駅(東京メトロ千代田線, 小田急小田原線)6番口 徒歩9分 |
会期 | 2024/07/26(金) - 08/10(土) |
時間 | 12:00-19:00(最終日17:00まで) |
休み | 日曜日、月曜日、火曜日 |
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