マーク・レッキー「Fiorucci Made Me Hardcore feat. Big Red SoundSystem」
エスパス ルイ・ヴィトン東京
2024/02/22(木) - 08/18(日)
国際規模のプロジェクトを実施し所蔵コレクションを世界に紹介することで、より多くの方々に作品をお届けするというフォンダシオン ルイ・ヴィトンのミッションに基づき、エスパス ルイ・ヴィトン東京では、イギリス出身のアーティスト マーク・レッキーによる個展「Fiorucci Made Me Hardcore feat. Big Red SoundSystem」を開催し、代表作2点を展示いたします。本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにて開催する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行われるものです。
マーク・レッキーは、1980年代末のイギリス、ロンドンで頭角を現した「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」(ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン、サラ・ルーカスなどを含む)の世代に属するアーティストです。但し、彼はその後すぐにアートシーンからほぼ姿を消し、戻ってきたのは1990年代の終わりでした。社会 ── より具体的には文化産業 ── におけるアーティストの立ち位置は、レッキーにとって重要なトピックです。最近では、新しいテクノロジーと情報アクセスの急激な変革をきっかけに、いくつかの作品が誕生しています。彼のパフォーマンス / プレゼンテーション作品《The Long Tail》(2009年)は、2004年にイギリス系アメリカ人の作家 クリス・アンダーソンが提唱した「ロングテール」という概念から生まれたもので、インターネットが可能にする広範囲への流通により、ニッチな消費行動も利益の源泉になり得ると主張する理論に基づいて制作されました。同様に、レッキーは人間が身の回りの消費物と共存することに魅了され、工業製品とのコミュニケーションをもとにしたアニミズム的実践という、拡張された彫刻の概念を提案するにいたりました。
シャルル・ボードレールが書いた「現代生活の画家」の延長線上にあり、オスカー・ワイルドやジョリス=カルル・ユイスマンスのような、生活と芸術を結び付けた世紀末ダンディズムの継承者であるレッキー。身近な生活環境をツールとして、またインスピレーションの源として捉え、日常の経験から切り離された芸術、という考え方を拒みます。1970年代から1990年代にかけてのイギリスのサブカルチャー史を旅する彼の作品は、大衆文化が高尚なもの、興味に値するもの、本物の芸術作品を生み出す源と捉えられてこそ、真に評価されるのです。ビデオ作品《Fiorucci Made Me Hardcore》(1999年)は、レッキーのアートシーンへの復帰を高らかに告げる作品であり、大衆文化とそのDIY的アプローチに対する彼の関心を例証したものです。音楽バンドdonAtellerとJack Too Jackの創立者でもある彼は、レイヴ音楽を強烈な芸術表現のかたちと捉え、巨大なスピーカーの壁を立ち上げる作品《SoundSystems》(2001年-2003年)でそれを表現しています。本展で展示される《Fiorucci Made Me Hardcore with SoundSystem(10周年記念リマスター版)》(1999年-2003年-2010年)は、それら2つの初期作品を合わせることで、このDIY的アプローチを完璧に統合しています。
自身を取巻く文化的、物質的環境からインスピレーションを得るレッキーの世界は言うまでもなく、オンラインかつデジタルで、サイバネティクス技術と生体工学技術に支えられています。彼はそれを、作品にもよく登場させる自身が夢中なモノたちを通して語ります。彼の言葉によれば、「私はフェティシストで、モノを偏愛し、強く惹き付けられて、執着して、どうにかしてそれらを所有しなければと思っています。なぜならそのモノたちが、私を所有しているように感じるから。それに対してある種の応答をしたいのです」とのこと。それゆえに、漫画のキャラクター フィリックス・ザ・キャットを作品《Felix the Cat》(2013年)に取入れた時も、1928年に初めてテレビで放映された最初の主題となったこのキャラクター、つまりデジタル時代の幕開けのシンボルを援用することによって、この存在を自らのものにしたのです。
マーク・レッキーは、1980年代末のイギリス、ロンドンで頭角を現した「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」(ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン、サラ・ルーカスなどを含む)の世代に属するアーティストです。但し、彼はその後すぐにアートシーンからほぼ姿を消し、戻ってきたのは1990年代の終わりでした。社会 ── より具体的には文化産業 ── におけるアーティストの立ち位置は、レッキーにとって重要なトピックです。最近では、新しいテクノロジーと情報アクセスの急激な変革をきっかけに、いくつかの作品が誕生しています。彼のパフォーマンス / プレゼンテーション作品《The Long Tail》(2009年)は、2004年にイギリス系アメリカ人の作家 クリス・アンダーソンが提唱した「ロングテール」という概念から生まれたもので、インターネットが可能にする広範囲への流通により、ニッチな消費行動も利益の源泉になり得ると主張する理論に基づいて制作されました。同様に、レッキーは人間が身の回りの消費物と共存することに魅了され、工業製品とのコミュニケーションをもとにしたアニミズム的実践という、拡張された彫刻の概念を提案するにいたりました。
シャルル・ボードレールが書いた「現代生活の画家」の延長線上にあり、オスカー・ワイルドやジョリス=カルル・ユイスマンスのような、生活と芸術を結び付けた世紀末ダンディズムの継承者であるレッキー。身近な生活環境をツールとして、またインスピレーションの源として捉え、日常の経験から切り離された芸術、という考え方を拒みます。1970年代から1990年代にかけてのイギリスのサブカルチャー史を旅する彼の作品は、大衆文化が高尚なもの、興味に値するもの、本物の芸術作品を生み出す源と捉えられてこそ、真に評価されるのです。ビデオ作品《Fiorucci Made Me Hardcore》(1999年)は、レッキーのアートシーンへの復帰を高らかに告げる作品であり、大衆文化とそのDIY的アプローチに対する彼の関心を例証したものです。音楽バンドdonAtellerとJack Too Jackの創立者でもある彼は、レイヴ音楽を強烈な芸術表現のかたちと捉え、巨大なスピーカーの壁を立ち上げる作品《SoundSystems》(2001年-2003年)でそれを表現しています。本展で展示される《Fiorucci Made Me Hardcore with SoundSystem(10周年記念リマスター版)》(1999年-2003年-2010年)は、それら2つの初期作品を合わせることで、このDIY的アプローチを完璧に統合しています。
自身を取巻く文化的、物質的環境からインスピレーションを得るレッキーの世界は言うまでもなく、オンラインかつデジタルで、サイバネティクス技術と生体工学技術に支えられています。彼はそれを、作品にもよく登場させる自身が夢中なモノたちを通して語ります。彼の言葉によれば、「私はフェティシストで、モノを偏愛し、強く惹き付けられて、執着して、どうにかしてそれらを所有しなければと思っています。なぜならそのモノたちが、私を所有しているように感じるから。それに対してある種の応答をしたいのです」とのこと。それゆえに、漫画のキャラクター フィリックス・ザ・キャットを作品《Felix the Cat》(2013年)に取入れた時も、1928年に初めてテレビで放映された最初の主題となったこのキャラクター、つまりデジタル時代の幕開けのシンボルを援用することによって、この存在を自らのものにしたのです。
作家・出演者 | マーク・レッキー |
会場 | エスパス ルイ・ヴィトン東京 (Espace Louis Vuitton Tokyo) |
住所 | 150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F |
アクセス | 表参道駅(東京メトロ銀座線, 半蔵門線, 千代田線)A1出口 徒歩3分 明治神宮前〈原宿〉駅(東京メトロ千代田線, 副都心線)4番出口 徒歩5分 原宿駅(JR山手線)表参道口 徒歩10分 |
会期 | 2024/02/22(木) - 08/18(日) |
時間 | 12:00-20:00 |
休み | 休館日はルイ・ヴィトン 表参道店 https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/point-of-sale/japan/louis-vuitton-tokyo-omotesando に準じます。 |
ウェブサイト |