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鈴木圭 " 永遠の魂 "

s+arts

2024/04/12(金) - 27(土)

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“ 人魚姫も、その美しい姫君を見たいものと、一心に立って見ていました。 そして、なるほど、このような愛らしいかたは今までに見たことがないと、思わないわけにはいきませんでした。(アンデルセン童話集1.大畑末吉約/岩波文庫) “ oil, gofun on canvas 72.7×91cm 2024
“ 人魚姫も、その美しい姫君を見たいものと、一心に立って見ていました。 そして、なるほど、このような愛らしいかたは今までに見たことがないと、思わないわけにはいきませんでした。(アンデルセン童話集1.大畑末吉約/岩波文庫) “ oil, gofun on canvas 72.7×91cm 2024
s+arts (スプラスアーツ)より、鈴木圭 個展「永遠の魂」の開催をお知らせいたします。

女性の抑圧と解放を表現している鈴木圭は、展示毎に独自の物語を作り、その中で繰り広げられる場面を作品に描きます。油絵に胡粉を混ぜることにより、時(歴史)が刻まれた壁画のような描写が特徴的な鈴木の作品は、暦の設定から登場人物の性格や背景等、細かい部分にまでこだわりが散りばめられ、様々な角度から現代社会に対する問題提起を内包しています。

本展「永遠の魂」では、アンデルセン童話『人魚姫』より、永遠の魂の探求について取り上げながら、憧れるということについて考え制作しました。アンデルセンの人魚姫は、マイノリティである主人公が、迫害によって語る事が出来ない自身のアイデンティティを隠して人間界へ赴き、永遠の魂を探求する物語だと鈴木は読み解きます。

「興味深いのは、王子に出会うより前に王子に似た像を手にしている点です。知的好奇心が強く陸に上がりたいと望む人魚姫にとって、まさに王子は若く健康で自由に走り回り臆することなく発言できる立場にある人物です。幼少期のまだ自分が何者でもない時に想像した完璧な人物像とそれに似た人との出会いは、自己投影又はロールモデルのようなイメージを王子に抱いているような印象を受けます。

“永遠の魂”とは、女性が主体的に振る舞いながら名を残すことのできる人魚姫を女性像と考え、自分自身の探究になるのではないかと仮定した展示です。」--- 鈴木圭

物語中で表される描写と、『人魚姫』が書かれた19世紀という時代を照らし合わせながら読み進めると、様々な社会背景が浮かんでくるようです。例えば、女性たちが賃金を得て働くことを許されず、婚姻の選択しかなかった時代に、男装や男性名で働く女性がいた事、更にManという単語には男性だけでなく人間という意味が含まれている点から、人魚姫が憧れる人間とは、当時の男性が出来て女性が出来なかったような、自由な言動が出来る人を指すのではないかとの指摘もあるようです。人間になる代わりに美しい声を取り上げられた人魚姫の受ける苦しみは、社会で一人の人間として認められたいと願う、当時の女性たちが感じる苦しさでもあったのかもしれません。(参考文献:著 脇明子「少女たちの19世紀 人魚姫からアリスまで」)

人魚姫は、恋が叶わず、短剣で王子を殺せば人魚に戻れるのにも関わらず、泡になることを選び、その後に風の精霊となり永遠の魂を得るために徳を積む道を歩みます。助けた者を勘違いした王子や、自身の恋する相手と結婚した隣国のお姫様を恨んだりすることもなく、風の精霊となって生き続ける様は、現代における「自分自身の探究」にも繋がると鈴木は考えます。依然として社会がアイデンティティに疎い中、自己表現や自己愛を獲得するのは難しく、そのような中で自分を愛するにはどのようにするべきか?『人魚姫』は、自身の思い描いたようには認められず、なりたかった自分になることが困難であるという状況を知る事、それを踏まえて苦しさや怒りを受け入れ前進しているという点で、最近の鈴木の制作テーマに共感できると話します。

これを機に、歴史的社会背景と独自の視点を持って『人魚姫』を読み解き、現代社会との関わりを交えながら制作された鈴木圭の新作展を是非お楽しみください。

出典

作家・出演者鈴木圭
会場s+artsすぷらすあーつ (スプラスアーツ)
住所
106-0032
東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス六本木駅(東京メトロ日比谷線)2番口 徒歩8分
六本木駅(都営大江戸線)7番口 徒歩9分
乃木坂駅(東京メトロ千代田線, 小田急小田原線)6番口 徒歩9分
会期2024/04/12(金) - 27(土)
時間12:00-19:00(最終日17:00まで)
休み日曜日、月曜日、火曜日
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