江戸時代、行灯の油を舐める猫は化け猫と呼ばれ、その姿から多くの歌舞伎や錦絵が作られた。当時の行灯の油は、菜種などの植物性のほか、魚や鯨を材料としたものが安価に取引されており、灯すと匂いがすることもあったという。
猫は本来肉食であるが、ペットフードのない時代は人の食べ物を与えられることも多く、江戸の米中心の食生活の中では、油由来の栄養が慢性的に不足していた。化猫と言われた彼らは、必要に駆られて行灯の油を舐めていたのだ。
日本は明治の富国強兵政策以降、乳製品によって国民の身体を強くし、外国に追いつこうとしていた時期がある。しかし資源不足でバターを作るのが難しいときや、広く供給が必要な時などは、安価で大量に作ることができるマーガリン(当時は人造バターと呼ばれた)が重宝されてきた。現在のマーガリンはほとんど植物性だが、その当時は植物油のほか、魚や鯨の油も使われていたという。
植物、魚、鯨を使った油。代用の栄養。猫は行灯の油を舐め、人はマーガリンから栄養を得ていた。あのとき化け猫と呼んだのは、誰のことだったのだろう。
油を捏ねる音から声を作り、猫と人が混ざった姿で、過去と未来を練り合わせる物語を語ろうと思う。
中村葵
会期中イベント
4月14日(日)17:00-
オープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
4月20日(土)19:30-
トーク
ゲスト:大石一貴 (彫刻家)
1,000円(1Drink+入場料)
4月21日(日)17:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
猫は本来肉食であるが、ペットフードのない時代は人の食べ物を与えられることも多く、江戸の米中心の食生活の中では、油由来の栄養が慢性的に不足していた。化猫と言われた彼らは、必要に駆られて行灯の油を舐めていたのだ。
日本は明治の富国強兵政策以降、乳製品によって国民の身体を強くし、外国に追いつこうとしていた時期がある。しかし資源不足でバターを作るのが難しいときや、広く供給が必要な時などは、安価で大量に作ることができるマーガリン(当時は人造バターと呼ばれた)が重宝されてきた。現在のマーガリンはほとんど植物性だが、その当時は植物油のほか、魚や鯨の油も使われていたという。
植物、魚、鯨を使った油。代用の栄養。猫は行灯の油を舐め、人はマーガリンから栄養を得ていた。あのとき化け猫と呼んだのは、誰のことだったのだろう。
油を捏ねる音から声を作り、猫と人が混ざった姿で、過去と未来を練り合わせる物語を語ろうと思う。
中村葵
会期中イベント
4月14日(日)17:00-
オープニングパーティー
1,000円(軽食+1Drink+入場料)
4月20日(土)19:30-
トーク
ゲスト:大石一貴 (彫刻家)
1,000円(1Drink+入場料)
4月21日(日)17:00-
オンゴーイングスクール
1,000円(お好きなケーキ+1Drink+入場料)
中高生にもわかる作家本人による展示作品解説
作家・出演者 | 中村葵 |
会場 | Art Center Ongoing (アートセンター・オンゴーイング) |
住所 | 180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7 |
アクセス | 吉祥寺駅(JR中央本線, 総武本線, 京王井の頭線)北口 徒歩10分 |
会期 | 2024/04/10(水) - 21(日) |
時間 | 12:00-21:00 ※水曜日、木曜日、金曜日は16:00-18:00まで一時休憩 |
休み | 月曜日、火曜日 |
観覧料 | 400円(セレクトティー付き) |
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