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石毛健太 個展"Chrono Reticulate Sight-System"

東葛西1-11-6 A倉庫

2024/01/13(土) - 28(日)

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多少歳をとって、時間が経つのが早くなった気がする。プレスリリースに掲載する過去の展覧会情報なんかを確認している時にも、これってそんなに前のことだったかといちいち時の流れに驚いてしまう。そういえば去年からシフト制のバイトを始めてみたが、時間の管理方法が普段とまた違うので中々頭に馴染まず苦労している。この馴染まなさや驚きといった、あまりにありきたりで退屈な時間にまつわる所感から、今一度、時間というものについて考えていきたい。
連続する時間というもののある瞬間、つまり時刻を指示するものを時計というのであれば、例えば、いつもの家からピアノが聞こえるから今日は何曜日とか、毎年この時期はどこそこにお参りに行くとか、しばらくぶりに会った友人の顔に皺ができているとか、あの流星群を次に見れるのは何十年後とか、そういう、我々が認識できる形で時間の経過をみてとれるものごと、時計になりえるものごとは身の回りにいくらでもあることに気付く。腕に巻き付けている2本か3本の針が回転する円盤や片手に収まる光る板に表示される4桁の数字が示す等分な時刻とはまた違う形の時刻は無数に存在しているし、それぞれに時間のありようも違うだろう。
“Chrono Reticulate Sight-System”は日本語に訳すと「時間網目状視覚装置」あるいは「時間網状照準器」となる想像上の機械・装置の名前で、本展覧会のタイトルだ。繰り返す日常の中に存在しない、あるいは気付きにくい、先述のような時計になりえるものごとを作品として制作・展示し、それぞれの固有の時間を行ったり来たりしながら観測する手段を考えるうちに、この展覧会の形にたどりついた。作品は1日のうち15分ほど見れるものから、その日の気温次第でみれるもの、開催時間外でも機能し続けるものなど、様々な時間の中で我々に鑑賞される。タイミングによってはあまり多くの作品を視覚的に捉えられないこともあるかもしれないが、時々表示が消えてしまう時計のその瞬間をみたようなものだと思っていただきたい。おすすめは晴れた日の15時頃。

出典

作家・出演者石毛健太
会場東葛西1-11-6 A倉庫ひがしかさい いち の じゅういち の ろく えー そうこ (A SO-KO, 1-11-6, HIGASHIKASAI)
住所
134-0084
東京都江戸川区東葛西1-11-6
アクセス葛西駅(東京メトロ東西線)中央口 徒歩16分
会期2024/01/13(土) - 28(日)
時間13:00-18:00
休み月曜日から木曜日
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