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超不定期訪問/滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.07 GEN『聖 hijiri 』

【移転】オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ Nami Ita』

2023/09/15(金) - 10/16(月)

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オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ-Nami Ita』は、9月15日(金)から10月16日(月)のあいだ、2023年の第7弾企画【超不定期訪問/滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.07】として、GENによる 『聖 hijiri 』(ひじり)を開催致します。
和光大学の経済学科を卒業後、現在は研究生として在籍中のGENは、同大学で『火の人間史』などを教える民族文化研究者、関根秀樹氏に私淑した『焚き火中毒者』を自称し、在学中から「火」の探求としてスウェーデントーチを応用した独自の発火技法による「火の具現化=痕跡の作品化」を試みています。
今回、ナミイタへ訪問滞在して行う個展『聖 hijiri(ひじり)』では、燃焼の痕跡を定着させた具体物である丸太とキャンバスをインスタレーションしつつ、持ち込んだ丸太を屋外で日々燃やす行為をパフォーマンスとして、さらにそれらが数時間かけて燃焼する過程自体も作品として提示致します『聖』とは古来、吉兆を占い、火を操って祭政に携わる宗教者を指す言葉ですが、文脈は違えど、GENの行為も一種の信仰告白なのかもしれません。是非、多くの方にGENと時間をかけて炎の存在と向き合う奇妙な体験をして頂ければと存じます。
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【超不定期訪問/滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.07】
GEN 個展『”聖” hijiri (ひじり)』
■ 会期:2023年9月15日(金)→10月16日(月) ※ 金土日月オープン。火水木休み。
■ 時間:12時30分→20時 ※作家の滞在時は常時、公開制作(焚き火と丸太の燃焼)を行います。
■ 会場:オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ Nami Ita』
東京都町田市三輪町2036(アトリエ・トリゴヤ裏手)
徒歩=小田急線鶴川駅より徒歩約15分。バス=鶴川駅前3番乗り場より「奈良北団地」or「三菱ケミカル前」行き。それぞれ『三輪入口』下車。バスを降り、目の前の坂を下りたすぐ右手の広場に建つ赤い掘っ立て小屋の奥。トタン屋根の上に被さる古木が目印。所在場所の地図はフライヤーのQRコードかGoogle Mapsをご検索下さい。
■ 入場:ドネーション500円(他企画とも共通)
※ 焚火の破片を使用したGENの小作品と展示ポストカード、ナミイナのオリジナル版画をまとめた返礼パック付き。
※ 駐車スペースが極めて限られます。事前にご確認下さい。
■ 企画:東間嶺(TEL:090-1823-7330)
■ 協力:アトリエ・トリゴヤ、作庭工房
■ MAIL: [email protected]
URL: https://tinshacknamiita.org/
■ SNS:Twitter&FB→@Namiita2036 | Instagram→@tinshacknamiita
■ プレスリリースPDF
https://drive.google.com/file/d/1KqFzkcMxh-Zq2-zwK-ztbn935DH9CEVl/view?fbclid=IwAR1BPZyzHbTaF5CD_fDkuiiP00d4yS9XfuhhtCJjJVrJAp25KDp4K95zx9s
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【アーティスト・ステイトメント】
「人や動物は、その場から移動する際何かしらの痕跡を残す。その痕跡こそ、その場に存在していた証明となるのである。では、火にとっての痕跡とは何か。一瞬にして生まれ、消えてゆく彼らにとってこの世界に存在していたと言える証拠は何か。私は作品を通してその答えを探究する。」
私にとって焚き火は、ある種の精神安定剤のような役割を果たしている。特に今展示の「聖者」シリーズに関しては、作品を作るとは別に体が自然とそれを欲しているように思えてくる。普段の生活で町中を歩いていても、何か燃えやすいような木や良い形の丸太を探してしまう。そうして街を見歩いてると、案外良い木が落ちていたりするのだ。それを持ち帰って燃やす。そんな生活を始めて早4年。最初こそ作品を作るんだという気持ちでやっていたが、今ではその気持ちは薄くなりつつある。徐々に自身の精神が火に吸収されていくような気がするが、それもまた火への探究に近づいているのかもしれない。
(作家:GEN)

【ディレクターズ・ノート】
暗闇の中で丸太に呼気を吹き込む低い音が長く続き、暫くすると、漂う白煙の中から、木片が爆ぜる乾いた破裂音と共に勢いよく炎が立ち昇る。白色に近い、ゆらめく波のように不定形なそれが風に巻かれてたなびくのを眺めていると、火勢が弱まったタイミングを見計らってGENがおもむろに丸太を頭上に高々と掲げ持ち、ゆっくりと大学の敷地内に設けられた彼の「遊び場」(火を熾す許可をもらった作業場)を歩きはじめた。最近メルカリで手に入れたハンガリー製の古いシネマレンズでその不思議な示威を映像に記録していたわたしは、『聖(ひじり)』『聖者』という、受け取り方によっては軽薄な神秘主義やオカルティズムの発露、あるいは「きみは、遠藤利克さんの学生さん?」などと訝しまれかねない危険を孕む展示タイトルとGENの生み出す「作品」郡が、素朴なリアリティを持って強く結びつくのを感じていた。火は「神聖」であり、人を否応なく惹き付ける。巷のソロキャンパーからネットワークビジネスの企画者、嗜癖的な放火魔、『聖』(ひじり)を本来意味する高位の宗教者まで、扱う火の種類は違えど、それは変わらない。
7回目となる超・不定期訪問/滞在制作project《Nami Ita に、いた?いる!》でナミイタを訪れるGENは、火に魅入られた「焚火中毒者」を自称している。和光大学で教鞭を執る民族文化研究家、関根秀樹氏に師事しながらさまざまな発火法を学んでいくうち、「火の存在」を探求する手段として、スウェーデントーチを応用した独自の手法で燃焼させた丸太を作品という形で残すようになったという。
それは丸太の頂点部分と側面を手動のドリルで深く円状にくりぬき、差し込んだ火口を呼気と火吹き棒で炎へと膨らませ、内部から徐々に、溶かすように燃やし、炭化、消滅へ至らせるというものだ。ドリル孔から煙を噴き上げ、徐々に崩れゆく丸太の内部は、目を近づけると生き物の内臓のようでもあり、また、SF世界の崩壊した世界の崖か森のようにスケールの大きな空間に錯覚させられもする不思議な姿を見せる。
GENは、水や窒息効果で火を消し、燃焼中の形状をとどめさせたそれら丸太を、火が世界に存在した「痕跡=証拠」であり「作品」(彫刻、ではない)だとして訪問/滞在制作の展示をひとまず構成するが、彼が求める火の実質は、丸太が燃えている時間(萌えている、とダブルミーニング的に書くと怪しさが増す)の中にある。バケ学の次元で言えば、物質が酸素と反応した水蒸気と熱と光の現れである「火の時間」と、その痕跡が残される(あるいは消滅する)までを目撃し、共有する体験こそが『聖』の核心だ。残された丸太は、極端に言えば残骸に過ぎない。会期中、基本的には毎日繰り返される「火の時間」に接することで、観者もGENと同様【徐々に自身の精神が火に吸収されていく】ような感覚に陥ったなら、もはや眼前のそれが何であるか——オカルトなのか催眠商法の道具なのか、「美術」なのか——など、どうでも良くなっているだろう。ナミイタでしか得られない不思議な経験を是非、多くの人に味わってほしい。
(代表、ディレクター:東間嶺)

【アーティスト・プロフィール】
『GEN』
2000年神奈川県小田原市生まれ。2023年に和光大学経済経営学部経済学科を卒業。2019年から火の痕跡をテーマに炎を使った作品を制作。経済学科にいながら何故か芸術学科のゼミを専攻し、卒業制作展に77本の丸太を持参し参加。在学中に学内展示『サトヤマアートサンポin岡上2021・2022』に出展。また、2022年には『Sound Art Museum at spread』にてサウンドアート作品を発表。焚き火中毒者。
『グループ展』
2021・2022:サトヤマアートサンポin岡上2021・2022(岡上地区各所、神奈川)
2022:“ Sound Art Museum at Spread ”〜様々な音が交差する実験的かつ、体験型インスタレーション展〜(Spread 下北沢、東京)
2023:和光大学表現学部芸術学科卒業制作展2023『はなればなれハレバレ』(BankART KAIKO、横浜)

【 超不定期滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》】
作家がナミイタ Nami Itaを不定期・長短期で来訪/滞在し、小屋の内外に作品をインストール/展示/パフォーマンスする連続企画。レジデンス未満のゆるい感覚で、場と作品、作品と作者、作者と場の新たな関係性を探ってゆく試みです。これまでにVol.01 山本麻世『イエティのまつ毛』(2021 年11 月1 ~ 12 月2 日)、vol.02 藤巻瞬『不完全な修復』(2022年1月14日~2月14日)、vol.03 前田梨那『去来するイメージ/往還する痕跡』(2022年4月29日~5月30日)、vol.04 金井聰和『鳥小屋マサラ--骨を探して--』(2022年8月5日~9月11日)、vol.05 蓮輪友子『THEATER』(2023年1月8日~2月6日)、vol.06 仁禮洋志『もうれんやっさ』(2023年2月10日~2月26日、3月17日~3月27日)を実施。

出典

作家・出演者GEN
会場【移転】オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ Nami Ita』おるたなてぃぶ ほったてごや なみいた
住所
195-0054
東京都町田市三輪町2036
アクセス鶴川駅(小田急小田原線)南口 徒歩15分
鶴川駅より路線バスあり。3番乗り場より「奈良北団地」または「三菱ケミカル前」行きに乗車し、「三輪入口」下車。
会期2023/09/15(金) - 10/16(月)
時間12:30-20:00
休み火・水・木
観覧料ドネーション500円
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